モバイルWiMAX、2009年2月から試験サービス開始

KDDIらが出資するワイヤレスブロードバンド企画は、2.5GHz帯の周波数免許を取得し、2009年2月から試験サービスを始める。

» 2007年12月21日 21時29分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 KDDIやインテル キャピタルなどが出資するワイヤレスブロードバンド企画は12月21日、総務省から2.5GHz帯の周波数免許を取得し、WiMAX方式で2009年2月から試験サービスを始めると発表した。商用サービスは同年夏を予定する。

2.5GHz帯の周波数免許を手にする田中社長

 田中孝司社長は、会見で「幅広くモニターを募り、安定性の高いサービスを実現させたい」と述べた。試験サービスは東京23区や横浜市中心部で行われる予定。同社のインフラを利用してサービスを提供するMVNO(仮想移動体通信事業者)からの参加も募る。2008年春にMVNO向けの説明会を開くとしている

 商用サービスは同年夏に始める予定。当初のサービスエリアは、首都圏などの大都市中心部に限られるが、2012年までに約1万9000カ所の屋外基地局を設置し、人口カバー率を93%にする計画だ。屋外基地局と同数程度の屋内基地局も確保し、建物内での利用を促進する。同社へ出資するJR東日本にも協力を仰ぎ、駅構内でも利用できるようにする。「他の鉄道事業者も協力してほしい」(田中氏)という。

 WiMAXは、海外の通信事業者が数多く採用する通信方式であるため、国際ローミングサービスも注目されている。「米Sprint Nextelと提携しており、円滑な接続に向けて準備を進めたい」と片岡浩一取締役は話した。

 商用サービスの利用料金は、最大で月額5000円程度になる見込み。いくつかの料金プランを検討しているが、平均では3200円程度になるという。利用できる製品はPCや携帯情報端末など。2010年以降は、設備機器監視やワイヤレス電子決済システム、コンテンツ配信など業務用途にも利用範囲を広げる。

 加入者数は2013年度末で約560万人と予想し、同年度に約1450億円の売り上げを見込む。田中氏は、「サービス開始までに残された時間は少ないが、着実に準備を進め、ワイヤレスブロードバンド市場を切り開きたい」と意欲を見せた。

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