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» 2007年09月18日 20時22分 公開

KDDI、インテルや京セラらと共同でWiMAX事業企画会社を設立

KDDIは、インテルや京セラらと共同で2.5GHz帯を利用した無線ブロードサービスを行う企画会社「ワイヤレスブロードバンド企画」を設立した。

[國谷武史,ITmedia]

 KDDとインテル、JR東日本、京セラ、大和証券グループ、三菱東京UFJ銀行は9月18日、2.5GHz帯を利用したブロードバンド無線接続サービス(BWA)事業を行うための企画会社「ワイヤレスブロードバンド企画」を設立したと発表した。

 新会社は、モバイルWiMAX(IEEE802.16e)方式を利用したBWAサービスならびに同方式に対応する機器の開発を主目的として設立。資本金は8億5000万円で、KDDIが32.26%、インテルとJR東日本、京セラが17.65%ずつ、大和証券グループが9.80%、三菱東京UFJ銀行が5.00%それぞれ出資する。代表取締役社長には、KDDIの田中孝司取締役執行役員常務が就任した。

小野寺正KDDI社長兼会長

 新会社設立について、KDDIの小野寺正社長兼会長は「当社は2003年からWiMAXに注目し、標準化推進団体WiMAX Forumのボードメンバーとして国内の要件を世界標準へ反映させる取り組みを行ってきた。2006年から大阪市で行ってきた実証実験も有効性が確認されている。当社が培った技術を新会社に継承し、パートナー各社の持つサービス、顧客、資金を融合させて安定的に事業を展開できると確信している」と述べた。

田中孝司ワイヤレスブロードバンド企画社長

 ワイヤレスブロードバンド企画の田中社長はモバイルWiMAXサービスの特色について、40Mbps超の高速通信、時速200キロの移動環境でも十数Mbpsの通信速度を得られるモビリティ(実証実験を基にエミュレータ検証で確認)、常時接続の3点を挙げた。

 「これらに加えて、WiMAXではWiFiのようにグローバルで機器間の相互接続性を推進する仕組みがある。WiMAX通信モジュールを組み込むモバイルPCなどを利用して、ユーザーは新しいサービス、ライフスタイルを体験でき、将来は社会インフラとしての利用も期待される」(田中氏)

 また田中氏は、携帯電話のCDMA技術でKDDIと提携する米Sprintと、WiNAXの国際ローミングサービスならびに技術面で提携を行う考えも明らかにした。

alt 新会社の事業構想。モバイルPCでのデータ通信を中心に、通信モジュールを組み込んだ製品開発、MVNO(仮想移動体通信事業者)へのネットワーク開放などを掲げる
alt 国際ローミングではまず米Sprintの提携を計画する。将来的には多様なデバイスをグローバルに利用できるようにする

 新会社への出資についてインテルの吉田和正共同社長は、「まったく新しい技術、有線を含めた包括的なブローバンド環境、利用シーンにいたるまで、世界をリードするサービス実現の第一歩。KDDIはWiMAX Forumのパトーナーでもあり、Sprintも協力関係にあるなど、新会社はこのビジネスを確実にドライブできると考えている」と話した。

 またJR東日本の小縣方樹常務取締役は、「鉄道事業を支える新たなブロードバンドインフラ、駅を中心とした顧客への新サービスに向けてWiMAXは最善の選択だと考えている」と述べた。このほか、「KDDIの筆頭株主として将来性ある新たな基幹事業を支援する」(中村昇京セラ会長)、「事業計画の実効性が感じられ、財務と資本の両面で支援する」(日比野隆司大和証券グループ専務)、「WiMAX事業は社会インフラとして社会的意義がとても高い」(亀井信重常務)と、出資の理由を説明した。

新会社へ出資する各社の代表者ら

 ワイヤレスブロードバンド企画は、各社からの出資が完了次第、総務省に対してBWA免許の申請を行う。免許取得が実現した場合は、事業会社に移行し、基地局整備などを目的とした増資を行う計画だ。事業計画について田中氏は「準備段階にあり、詳細は明らかにできない」としながらも、「既存の携帯電話ネットワークとは異なる新しいサービス、製品で市場を創造する。基地局やバックボーン回線などのインフラ整備は、KDDIやJR東日本などのリソースを活用してしたい」とコメントした。

 BWA免許を巡っては、NTTドコモとアッカ・ネットワークスが共同で参入準備を進める(関連記事)ほか、ソフトバンクモバイルとイー・アクセスが事業化の可能性について共同検証(関連記事)を行う。また、ウィルコムは「次世代PHS」方式で単独参入する方針を明らかにしており、今回のKDDI陣営の新会社設立でBWAへ参入を表明する主要な移動体通信事業者グループの体制がおおよそ出揃った。

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