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15分で分かる2007年のブログ界 (1/2)

2007年のブログ界は、一種のバブル崩壊期だったと言えるだろう。本当にバブルは崩壊したのか? それとも新たな方向性を見いだしていくのか? まずは2007年のブログ界の動向を振り返りながら、2008年の予測を試みたい。
2007年12月28日 12時30分 更新

 2007年は、ブログ界にとってターニングポイントとなる年になった。それは、ブログがリアルに与える影響がいっそう強まった年だからだ。それも、どちらかと言えばプラスよりもマイナス方面への影響が目立った。

 これが単にマイナスの影響ではなく、プラスの方向へ移行していくためには、ブログがメディアの1つとして、どのような形に成長していけばよいのだろうか? まずは、幾つかの事例を振り返りながら考えてみよう。

ブログからリアルへの波及

 10月13日、長崎県警は大阪市の坂本優介容疑者を未成年者誘拐の疑いで逮捕した。長崎県内の小学6年女児が開設したブログを通じて知り合った容疑者が、その女児を自宅に8日間連れ込んだという。その後は続報がないので分からないが、女児の家出を容疑者が手伝ったという形だろうか。もちろん女児は未成年であることから、相談に乗るのはよいとしても、それ以上の行いが法に触れた。

 この事件では、ブログを通じて起きたということが、目立って報じられた気がする。これまでも同様の事件はあったものの、ほとんどがケータイの出会い系サイトなどを通じたものだった。対してこれは、誰もが目に触れるブログである。

 今やネット上には、小中学生が開設したブログが、多数存在する。男子学生もいるだろうが、多く見られるのが女子学生によるものだ。問題視されはじめた「裏サイト」などと合わせて、ブログの使い方も、学校や家庭などで指導していく必要があるのかもしれない。

 もちろん、これ以外にも大なり小なりブログやSNSにまつわった事件が多く報じられた。

 ブログがリアルに与える影響としてもう1つ特記すべきことがある。それは、芸能ニュースが、芸能人ブログに投稿されたエントリーから記事化するケースが急増したことだ。

 芸能人ブログ自体は、元祖ブログ女王である眞鍋かをりや、「しょこたんぶろぐ」が大ブレークした中川翔子を始めとして、数年前から数多く存在していた。中には、芸能人が個人的に開設していたものもあり、ファンとの距離を縮めるものとして、有効活用されてきていた。それが次第に事務所が関与するようになり、「オフィシャルブログになりました」などと宣言するケースも増えてきている。ブログサービスにとっては広告塔の1つになり、事務所にとってもタレントに自由に書かせることでファンとの関わりを強めることになりメリットが大きい。

 しかし、それも度合による。

 11月19日には、「時効警察」などに出演していたタレントの星野奈津子が、自身の公式ブログで、とある事件について行き過ぎた書き込みを行った。これを受けて11月21日、1年間の芸能活動停止に追い込まれている。

 公式ブログともなると、事務所公認であるとともに、利用するブログサービスにも管理を委託することになる。しかし、管理といってもそれは不適切なコメントやトラックバックの削除などであり、エントリー自体は、芸能人自身が投稿するのがほとんどだろう。例えばケータイなどを通じて、楽屋からだったり、旅先からだったり、写真付きでエントリーを投稿する。事務所がチェックをしてから掲載される場合は別として、たいていはすぐにアップされてしまう。そこで、事務所が後からフォローすることになるケースも出始めているのだ。

 11月26日には、2007年ブログ女王として君臨していたタレントの若槻千夏がブログ中断を宣言したところ、スポーツ新聞などで「引退」が報じられる騒ぎとなった。翌日にはブログを更新し、「引退するわけではない」と否定した。

 たかがブログである。元祖ブログ女王・眞鍋かをりにしても、別に毎日更新しているわけではない。しかし、毎日のように更新している芸能人も多く、1日更新しなかっただけで心配されるケースもあるようだ。そのためだろうか、若槻千夏は、わざわざ「ブログ中断」を宣言したわけだが、結果的に余計な憶測を生んでしまったわけだ。

 このように、ブログがマスメディアのニュースソースになるのが当たり前となってしまったのが、2007年のブログ界の最大の特徴だろうか。そしてこれは、2008年も進んでいくことは間違いない。

 以上は事件によるブログの見方であるが、一方では今後の可能性を垣間見る出来事が多数あった。

アルファブロガー・アワードの変貌

 2007年も、いわゆるアルファブロガーを選出する「アルファブロガー・アワード2007」が行われた。その結果、新たに15人のアルファブロガーが選出されている。

 そもそもアルファブロガーとは、多くの読者に読まれ、影響力のあるブロガーを指している言葉であり、米国からのものだ。日本にはどのようなアルファブロガーがいるのか? という疑問から、2004年に第1回投票企画が開催され、現在に至っている。そして2007年は、シックスアパートとアジャイルメディア・ネットワークの支援を受け、装いも新たにアルファブロガー・アワードとして開催されたのだ。

 一般ブロガーからの投票などから決まるのは同じだが、今年からは少し様相が変わったようだ。それは、これまでと同じやり方をしていると、顔ぶれが固定化されてしまうという恐れから、過去にアルファブロガーとなったブロガーから、現在は無名でアクセス数が少なくても将来性のあるブログを1ブロガーから3ブログ推薦してもらうという企画だ。

 この変貌が、最終的な結果にどのような影響を及ぼしたのかどうかは、来年以降見守っていく必要があるだろう。

「ブログ限界論」――スパムブログがブログを駆逐する?

 2007年のブログ界に浮上してきた出来事として、外せないのは、11月23日のRTCカンファレンスにおいて「最近ブログがつまらなくなってないか」という疑問から提起された、「ブログ限界論」だ。

 この「ブログ限界論」に関しては、多数のブロガーが取り上げている。筆者の見解を示せば、「ブログ限界論」否定派ということになるかもしれない。

 ブログ界隈が盛り上がり、大多数のユーザー(ブロガー)が利用している。しかし、その中で、「何かおかしいな」と感じる人がいることは確かだろう。その感じは、「いったい何のためにブログで書いているのか?」という疑問から始まる。

 日本では、ブログという言葉が広まる以前から、Web日記が定着していた。そこに米国からブログという概念が輸入されてきた時、Web日記をブログへそのまま移行した人が多かったことから、ブログ=日記となっていったのが実態だ。

 もちろん、ブログ自体は日記とイコールではないのだが、日記として使う人が大多数となっている。さて、著名人ならいざ知らず、一般人の日記が膨大にあったところでどうだろうか。中には面白いものもあろうが、ほとんどのブログは、ほかのユーザーからすれば興味がないものとなる。

 しかし、この使われ方がブログがつまらないという言及要因すべてではないはずだ。自分で好きなことを書いて発表することは面白いし、そこでコミュニケーションを取ることもできる。その面白さは、書かれる内容に関らず、何ら変わらないのだ。

 ただ、最近増えてきた「スパムブログ」の存在が、ブログそのものを「つまらない」と感じさせていることは事実だろう。

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[森川拓男,ITmedia]

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