LinuxでのJ2MEアプリケーション構築法Embedded Programing Bible(1/4 ページ)

Java対応型の携帯端末をより効果的に活用したければ、J2MEアプリケーションをLinux上で作成してモバイルプラットフォーム上で実行する方法がある。ここでは、HelloWorldアプリケーションを作成して携帯電話で動かす具体的な方法を説明する。

» 2007年12月28日 14時38分 公開
[Simos-Xenitellis,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 Java対応型の携帯端末をより効果的に活用したければ、Java 2 Micro Edition(J2ME)アプリケーション(別名ミッドレット)をLinux上で作成してモバイルプラットフォーム上で実行する方法がある。こうした操作がいかに簡単に実行できるかを証明するため、本稿ではHelloWorldアプリケーションを作成して携帯電話で動かす具体的な方法を説明する。

 今どきの携帯電話であればたいていはJavaアプリケーションのインストールと実行に対応しているはずだが、実際のサポート状況については付属ドキュメントを参照するかGSMArena Webサイトにて各デバイスの仕様を確認してほしい。

 まずJava Development Kit(JDK)およびSun Java Wireless Toolkit(WTK)を手元のシステムにインストールしておく。ここではUbuntu Linuxシステムを前提とするが、ほかのディストリビューションでも基本的な手順は同じはずである。

 JDKのインストール手順に特に難しい点はなく、また数カ月前にオープンソース化されたことを受ける形で、現在では各種ディストリビューションのリポジトリにも収録されるようになっており、例えばUbuntuの場合はsun-java6-jdkというパッケージが用意されている。ただし現行のWTKは32ビット版Linux用にコンパイルされているので、64ビット版Linuxで使用する場合は、Sun Java Standard Edition(SE)のダウンロードページから32ビット(i586)JDKを入手し直す必要がある。手動インストール時におけるJDKの保存先は/usr/java/としておく。なお手元のシステムが64ビット版Linuxであるかを確かめるには「uname -m」を実行して64と表示されるかを確認すればいい。

 Webサイトに解説してある手順に従ってWTKをインストールすると、J2MEプラットフォーム用アプリケーションのコンパイルに必要なファイル群および、携帯電話へのインストール前に各自の作成したプログラムを動作試験するためのエミュレータが入手できる。本稿ではWTKのインストール先が/usr/local/WTK2.5.2/として解説を進める。なおインストールの完了時には、ktoolbarと呼ばれるWTKのプロジェクト管理ツールに対するフルパスがインストーラにより通知されるはずだ。これは、プロジェクトの構築と各種の設定および特定ディストリビューション用パッケージのコンパイルと作成を、グラフィカルユーザーインタフェース(GUI)を介して操作可能にするためのツールである。

 その名称からは少し想像しづらいが、ktoolbarもれっきとしたJavaアプリケーションの1つである。なおWTKインストーラは各ディストリビューションのApplicationsメニューにおける当該エントリの登録までは行ってくれないので、このエントリ登録についてはApplicationsを右クリックしてEdit Menu...を呼び出し、Programmingサブメニューへの追加をユーザーが実行しておく必要がある。その際の登録名はSun Java Wireless Toolkitとしておけばいいが、コマンドパスには先にインストーラから通知されたktoolbarコマンドのフルパスを登録しておく。またアイコンをカスタマイズしたければ、参照先を/usr/local/WTK2.5.2/wtklib/images/Midlets.pngなどに変更しておけばいいだろう。

The Sun Wireless Toolkit The Sun Wireless Toolkit

 インストレーションが正常に行われたかを確認するには、エミュレータ上でデモプログラムを実行してみればよい。まずはWTKにある既存プロジェクトを開いて、Gamesというサンプルを選択する。そしてBuildおよびRunの順番で操作ボタンをクリックする。この操作によって携帯電話のエミュレータが起動して、バーチャルな端末上でアプリケーションを実行できるようになればOKだ。

 既存のサンプルプロジェクトを開くと、該当するプロジェクトファイルがWTKにより各自のhomeディレクトリにある~/j2mewtk/2.5.2/apps/サブディレクトリにコピーされる。これをワークスペースとして使用することになるが、その際にWTKでは、ユーザー各自の環境とテキストエディタを用いてソースコードの編集を行うものとされている。それというのもWTKは、あくまでプログラムの構築環境を提供するだけの存在であり、独自の開発環境までは用意されていないからだ。

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