さて、「ユーザーを信用してはいけない」という言葉には、もう1つ意味がある。彼らはいつも勇敢かつ大胆に、私たちシステム管理者が予想もしないようなことをやってのける。
PCが動かない状況に陥ったユーザーは、とにかく自力で何とかしようと一生懸命だ。残念ながらほとんどの場合、ユーザー側が一生懸命になればなるほど「自分で自分の首を絞める」状況におちいることになる。
以前、PCが動かなくなったという電話が私の所にかかってきたことがある。その時の様子や操作、現状の画面状況を聞こうとするのだが、私の聞き方が悪いのか、らちがあかない。
私 「今、画面はどうなっていますか?」
相手 「なにか、エラーメッセージみたいなものが画面に出たんですけど。」
私 「そのメッセージを読み上げてください。」
相手 「電源抜いちゃったから分かりません。」
私 「!?ぬ、抜いた!?」
抜くなって。
私 「今から行きますから、そのまま触らないでくださいね。」
力なくそう答え、受話器を置く私。「PCよ、どうか、無事でいてくれ」と祈りつつユーザーのもとへ走る。幸い電源を再投入すると何事もなかったかのように動き出し、エラーも出なかったのだが、逆に原因は究明できずじまい。
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