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» 2008年02月19日 01時00分 UPDATE

New Generation Chronicle:上野康平――3次元空間を統べる若き天才プログラマー(完全版) (1/9)

ソフトウェアとハードウェアの両方に精通し、世の中を変革しようと牙を研ぐバイナリアンたちを紹介していく「New Generation Chronicle:バイナリアンスレッド」。第1回の井上さんからバトンを引き継いだのは、史上最年少の18歳で天才プログラマー/スーパークリエータの称号をIPAから贈られた上野康平さんの完全版をお届けする。

[西尾泰三,ITmedia]
top_news1.jpgtop_news2.jpg 「New Generation Chronicle:バイナリアンスレッド」これまでの登場人物

 「天才」――こう呼ばれる人物は各分野に存在する。上野康平さんもそんな1人だ。「バイナリアンスレッド」の第1回に登場いただいた井上恭輔さん同様、IPAの未踏ソフトウェア創造事業から天才プログラマー/スーパークリエータの称号を贈られた上野さん。彼が注目を集めたのは、彼が18歳であったことが大きい。

 未踏ユースをのぞいてみれば、18歳という年齢は特別若いわけでもない。上野さん自身、未踏ユースの採択時には17歳だった。上野さんの場合、飛び級を重ね、18歳にして千葉大学理学部先進科学プログラム2年生であるという点が、ニュースを見た人を2度驚かせたのだろう。未踏の先輩、井上恭輔さんにはじまった「New Generation Chronicle:バイナリアンスレッド」。第2回は上野康平さんにご回答いただいた。

 なお、本記事は完全版として上野氏にご回答いただいた内容をほぼそのまま掲載している。長文となるため、エッセンスだけを読みたい方はこちらをご覧いただきたい。

徒然草の教訓を実践

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―― お名前、年齢は?

上野康平といいます。18歳です。

―― ネット上ではどんな名前で通していますか? その由来は?

技術系のコミュニティーではnyaxtというハンドルネームをよく使っています。中学生のときに使い始めたのですが、当時猫を飼い始めたので、何となく。nyaxtstep.comというドメインは、昔のワークステーションで用いられていたOS「NeXTSTEP」から取っています。その技術は今ではMacOS Xに取り込まれていますね

―― 座右の銘は何ですか?

座右の銘、とは違うかもしれませんが、徒然草第百八十八段「事事無成身老也」が好きですね。「重要性の高いものに最も時間を使え」という教訓のお話なんですが、できるだけ実践しようとしています。

―― 現在、ブラウザ、メーラー、テキストエディタはそれぞれどんなものを使っていますか(もし、Firefoxをお使いなら、アドインも)?

ブラウザはFirefoxを普段使っています。マルチプラットフォームなので、Google Browser Syncと組み合わせればどこでも簡単に自分の環境が組み合わせられるのが魅力ですね。ほかに入れているアドインはGreaseMonkey、Hatenabarぐらいです。GreaseMonkeyはAutoPagerizeが超強力ですね。作者の方にはとても感謝しています。

 メーラーに特にこだわりはなくて、Win/Linux環境ではGmailをそのまま、Mac OS X環境ではMail.appをGmail IMAP設定で使っています。

 プログラミング時はVim7を使っています。高校のころまではEmacs派でしたが、当時使っていたEmacs環境が壊れてしまい、仕方なくVimを使っていたところ、気付くと指が勝手にhjkl移動をしてしまうようになり、戻れなくなってしまいました……。Emacsより軽いのがよかったのですが、最近のvimrcはあんまり軽いとはいえない状況になってきました。後、きちんとしたCompletion機能が欲しいところ。日本語テキストを編集するときは、Vimモード処理+IMEのモード処理と頭が追いつかなくなるので、Sakura Editor/CotEditorを使っています。

―― 開発環境はどんなものを使っていますか?

長らくWindows XP上でVisualStudioを使っていましたが、最近はMac OS X/Linuxに開発環境を移行しました。Vimエディタとgcc/autotoolsでちまちまと作っています。gdbで追うことが難しいバグが発生した場合、VisualStudioのビジュアルなデバッガ環境を用いることもあります。

 中学、高校のころはGentoo Linuxを使っていました。あのカリカリ感というか、メンテナンスすらも楽しんでやっていましたが、もう少し開発に力入れたいなと思ったときに、そのメンテナンスが少し手間に感じられるようになり、Debian GNU/Linuxに移行しました。持ち歩いているノートPCはWindowsとDebianのデュアルブートにしています。ちなみにウィンドウマネージャはratpoisonGNU Screenに似たキーボードドリブンインタフェースを持つウィンドウマネージャで、プログラミング中の思考に割り込みが入ることを極限まで下げるようにデザインされているだけあり、その威力は素晴らしいです。本当に作業に集中したいときにはお勧めです。

 Gentooを使っている時点でお分かりかと思いますが、基本的に全部自分で管理したいので、ミニマムでインストールして、後は必要なものだけを自分でインストールしていくスタイルの方が好きです。「え? ミニマムだとbzipすら入らないの?」みたいな(笑)。そういう意味で、Ubuntuとかダメなんですよ。いろいろ要らないものがインストールされてしまい、まず「apt-get remove」からはじめないといけないので……。でも、UbuntuはPS3にインストールしていたりします。

―― 開発の3種の神器を挙げるとしたら何ですか?

  • 潤沢なメモリを積んだPC
  • そこそこ大きく目が疲れない液晶ディスプレイ
  • 集中できる静かな環境
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