日立、「ちょっと先を行く」入退室管理技術を公開

日立は、東京ビッグサイトで開催されている「Security Show」でハンズフリーの新しい入退室管理システムを公開した。

» 2008年03月06日 18時36分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 日立製作所グループは、3月4日から東京ビッグサイトで開催の「Security Show」でハンズフリーを実現した新しい入退室管理システム「一盗両断RF」を公開した。複数の人物を同時に認証できる機能を搭載する。

 同システムは、ICタグと赤外線などを利用した動態管理・入退室管理システムとして日立エンジニアリングサービスが開発。最新のシステムにアクティブ型ICタグとレーザー光線を利用し、一定エリア内にいる人物の動態把握とハンズフリーの個人認証を実現した。

開発したアクティブ型ICタグ。身に付けた状態でゲートを通過するだけで認証をする

 アクティブ型ICタグは、本体にバッテリなどを搭載して自ら電波を発信する。この電波を、床面や天井裏などに設置したトリガーアンテナが受信し、認証システムと連携して本人を特定する仕組みだ。このシステムで利用するICタグは自社開発した。

認証エリアの設置例

 また、レーザーの反射波を利用して特定エリア内にいる人物の動態を監視し、認証エリアに入った複数の人物を一人ひとり瞬時に識別して認証処理をする「共連れ検知」機能を新たに実装した。従来のシステムでは、一人ひとりを順番に認証しなければならなかった。

ゲート周辺にいる人物の動きを感知して、第三者の不正な侵入を防止する

 今回のシステムを利用することで、人の出入りの多い場所での認証処理の効率が高まるほか、例えばIDカードをセンサーにかざして入退室する場合に認証を受けていない人物が同時に不正侵入しようとするようなリスクを回避できるという。入退室情報はすべてログとして保存・管理ができ、内部統制の強化にも活用できるとしている。

 参考価格は、ID連携システムなどを含めて10ゲートに設置する場合で約2000万円。研究所や工場、ミッションクリティカルなシステムが配備された場所など、高度なセキュティレベルが要求される場所での利用を見込む。

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