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» 2008年03月08日 08時13分 UPDATE

Weekly Access Top10:Jリーグの対戦表作成は大変、数学のプロに任せる

サッカーJリーグで対戦表の作成はかなり複雑な業務だ。対戦表作成担当者はかつては対戦表の作成に2、3週間掛かっていた。寝る時間もないくらい大変だったという。

[怒賀新也,ITmedia]

 先週のアクセストップ10では、W-ZERO3購入者の多くはSE?――企業の導入拡大を期待するウィルコム三菱電機、携帯電話事業から撤退――B2B事業に注力と携帯電話のの話題が1、2位に入った。

 携帯電話をはじめ、ハードウェアの多くはこれまで著しい進化を遂げ、いまや成熟市場になりつつある。一方、ソフトウェアはというと、企業向け、個人向けともに、活用の分野にまだ少し開拓の余地がある印象だ。先週は、ソフトウェアの可能性を改めて感じる製品を取材した。

 サッカーなど複数のチームがリーグ形式で試合をするスポーツでは、対戦表の作成がかなり複雑な業務になっている。Jリーグの対戦表作成担当者は、対戦表の作成に2、3週間掛かっていた。寝る時間もないくらい大変だったという。

 2003年、サッカーJリーグを運営する社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)は、この業務をソフトウェアで効率化した。フランスのソフトウェア企業ILOGの日本法人、アイログが提供する最適化ソフト「ILOG CP」を導入した。制約プログラミングを使って書かれたソフトウェアだ。J1、J2、Jリーグヤマザキナビスコカップの最適な対戦スケジュールをこのソフトウェアが作成する。

 これにより、対戦表の作成が1日でできるようになったという。Jリーグでは、シーズン終了時に翌シーズンの対戦スケジュールを決めている。このソフトウェアは、チームごとに不公平がないように、ホームゲームあるいはアウェーゲームの連続を避ける、試合会場となる競技場の確保状況、FC東京と東京ヴェルディのようにホームとなる競技場を共有しているチームがあることなど100近い制約条件を設定し、その条件にしたがって対戦表を割り出す。

 Jリーグからすると顧客と位置づけられる各クラブの細かな要望も受け付けるという。J1は18、J2には15のチームがあり、手作業での作成が非常に骨の折れるものであることは想像できる。

 具体的にこのソフトウェアは、制約条件をもとに個別の試合スケジュールの妥当性を評価し、得点を算出する。得点の高いスケジュールを1つずつ確定させながら、対戦表を作り上げるようなイメージだ。

 従来の手作業の場合、「ミラーリング」という手法を用いていた。これはファーストステージで作成したスケジュールをそのままひっくり返し、セカンドステージ用の対戦表を作るというもの。これでは、単調で面白みのないものになってしまっていた。

 ソフトウェアを使うことで「エキサイティングな対戦カードが作成できるようになった」とJリーグ担当者は話しているという。同じソフトウェアを本場ドイツのサッカーブンデスリーガも採用している。

 特有の条件としては、J1とJ2の入れ替え戦が挙げられる。例えば、今年ならサンフレッチェ広島が降格したことで、利用する競技場なども変化するため、それを条件として勘案する必要がある。

 アイログの提供する最適化エンジンは、小売店でシフト表を作成するためのソフトウェアなどにも使われている。人がやるしかないが荷が重いと思われていた作業を、これまで以上にソフトウェアが助けてくれる時代になってくる。

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