コラム
» 2008年04月04日 09時39分 UPDATE

IT Oasis:ヒトの出現が「IT」を生み出した (1/2)

OA、NC加工、FAはその仕組み単独ではITと称されることはない。OAはOAなのである。しかしその仕組みの中の片端に人間が出現するとITと呼ばれる。ITには意思決定のプロセスが大きく作用する。

[齋藤順一,ITmedia]

ITの誕生

 日本でITが現在のような意味で使われるようになったのは、2000年11月にITを国家戦略とするe-Japan戦略が掲げられた頃からである。

 e-Japan戦略を実現する裏づけとして2001年1月に高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(IT基本法)が施行された。

 同年インターネットが使えるようになるために必要な基礎技能の習得を目的にして、地域住民500万人程度を対象にIT基礎技術講習が実施されたことなどにより、国民にもITという言葉が身近になった。

 中小企業白書に出てくる「IT」という言葉を拾い出し、グラフにしたのが下図である。

oasis_0404zu.jpg 中小企業白書における「IT」という言葉の出現回数

 中小企業庁のホームページは素晴らしくて中小企業白書がデータベースになっており、単語の出現回数などを簡単に調べられる。

 e-Japan戦略以降になって「IT」という単語が頻出するようになってきた。経営戦略といった文脈で使われる「戦略」という単語がコンスタントに出てくるのと比べると特徴が分かる。

 単語の出現頻度からいうと2000年頃にはITへの関心が急速に高まり、その後、落ち着いてきたと読み取れる。2008年の中小企業白書でITがどのように扱われていくのか要注目である。

「計算機」から「IT」へ

 以下はおさらいである。

 電子計算機と呼ばれるものが誰の発明であるかは諸説あるが、一般に有名なのは1946年にペンシルバニア大学で公開されたENIAC(Electronic Numerical Integrator And Calculator)であろう。初期の計算機には外部記憶装置などはなく、高速な計算をする道具としての位置づけであった。

 その後、大容量の外部記憶装置が組み込まれるようになり、データベースが活用されるようなると、大量のデータを処理する機械としても活用されるようになった。単なる計算する機械ではなくってきたためコンピュータという呼称のほうが一般的になってきた。

 産業革命以来、人間の手足の代わりを務める機械は多数発明されてきたが、頭脳の代わりをする機械はコンピュータが出現するまでなかった。このため結果的には成功しなかったが、コンピュータによる人工知能の研究が進められた時期もあった。

 90年代以降、ネットワークにとってコンピュータを結ぶ技術が発達し、インターネットが一般に利用されるようになるとともに携帯電話や家電、ゲームなどにコンピュータの機能が組み込まれるようなると、コンピュータという呼称は適当ではなくなり、情報を扱うシステムや一連の技術を示す言葉として「IT」が使われるになった。

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