特集
» 2008年04月08日 00時00分 UPDATE

Magi's View:大規模なコラボレーション活動を成功に導く5つの原則――パート2 (1/2)

大規模なコラボレーション活動を成功に導く5つの原則。今回は、結合について解説する。多様ではあっても分断されているコミュニティーは創造的にはなり得ない。

[Charles-Leadbeater,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 Linuxの商業的な成功については、そのサポートコミュニティーが既成概念にとらわれない方式でアイデアの創造、共有、試験、廃棄、開発を進めていく方法を自発的に体系化できたためといっても過言ではないだろう。こうしたLinuxを取り巻く活動には、We-Thinkプロジェクトを成功に導く5つの原則を見て取ることができる。Linuxはそのすべてを備えている。前回はコアと貢献(翻訳記事)について解説した。今回は結合について解説する。

本稿は最近出版された『We-Think: The Power of Mass Creativity』からの抜粋である。

 1904年に開催されたセントルイス万国博覧会でのこと、アイスクリームスタンドでカップが不足したとき、隣のワッフルスタンドのオーナーがワッフルを円錐形に巻いてコーンを作り間に合わせたという。アイスクリームにしろワッフルにしろ別段新しいものではない。しかし、それらを組み合わせたとき、まったく新しいもの(ワッフルコーンに盛ったアイスクリーム)が生まれたのである。一般に、コミュニティーに存在するイノベーションは、新たな組み合わせを作り出す能力が高いほど多い。そうした組み合わせが可能な町は創造的なのである。これと同じことがWe-Thinkプロジェクトにもいえる。

 多様性が高くさまざまなアイデアが空中を漂っていたとしても、それらが出会い他家受粉しない限りほとんど何も生み出すことはない。多様ではあっても分断されているコミュニティーは創造的にはなりえないのである。創造的であるためには、さまざまなアイデアを持つ人々が出会いコミュニケートできなければならない。それが正しい形で実現されたとき、その成果は突然現れ急速に発展する。例えば、ジェームス・ワトソンとフランシス・クリックの2人がDNAの2重らせん構造を解明できたのは、彼らの研究領域がまったく異なっており、そこから生ずる異なる発想を結合できたからなのだ。クリックは物理学・生物学・化学畑を歩んできた。一方、ワトソンは動物学を学んだが、ウイルスを研究したことから関心はDNAに移っていた。こうした異分野にいた2人の発想が、ライバルたちには不可能だった絶え間ない丁々発止の対話を通して結合した。かくして、ワトソンとクリックの共同研究は1+1が12になったのである。

 一般に、グループが大きく多様であるほど組み合わせの効果も大きい。例えば、5人から成るグループがあり、それぞれが異なるスキルを持っているとしよう。この場合、2種類のスキルの組み合わせは10通りある。ここに、5人とは異なるスキルを持った6人目の人物が加わると、組み合わせは12通りではなく、5つ増えて15通りになる。また、自由に使えるツールが20種類あるとき、2つのツールの組み合わせは190通りあるが、3つなら1000を超える組み合わせが生ずる。ツールを13種類持つグループと15種類のグループとを比較するとツールの数ではほぼ互角(87%)だが、4種類のツールを必要とする課題を解くとなると話は違ってくる。15種類のうち4種類の組み合わせは1365通りあるが、13種類では715通り(約52%)しかないのだ。多様なツールやスキルを持つグループほど、複雑な課題に取り組む上で有利なのである。ただし、この有利さには、すでに述べたように、効果的に組み合わせることができればという条件がついている。

       1|2 次のページへ

Copyright © 2010 OSDN Corporation, All Rights Reserved.

ピックアップコンテンツ

- PR -

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -