ITガバナンスの基準を定める団体があるんです――ISACA今日から学ぶCOBIT(3/3 ページ)

» 2008年04月23日 08時00分 公開
[谷誠之,ITmedia]
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ITGIを紹介

 もう1つの重要な団体として、ITGI(ITガバナンス協会)を挙げておこう。ITGIは、ISACAが1998年に設立した、ITガバナンスのツールや考え方などを普及させるための団体である。ISACAとは深い関係にあるが、見た目としては様々な研究成果やドキュメントの権利はISACAが保持し、それらの版権管理や翻訳、出版などをITGIが担当していると考えて間違いない。

 ITGIのサイトでは、COBITの簡単な説明や、ISACAの会員でなくても参照できる日本語資料がダウンロードできる。注目したいのは「COBIT for SOX 2nd Edition 日本語版」である。これはCOBITの研究成果をサーベインズ・オクスリー法、いわゆるSOX法に活用するためのヒントとなるドキュメントである。もちろん米国のSOX法に関して書かれているわけだが、日本版SOX法に対しても参考になる。

 以上、13回にわたって、ITガバナンスのためのフレームワークであるCOBITについて解説してきた。まだまだCOBITは、ITILやISMSなどに比べ、日本では浸透しているとは言いがたい。しかしIT統制が避けられなくなっている現在だからこそ、把握しておくべきフレームワークだと言えるだろう。

谷 誠之(たに ともゆき)

IT技術教育、対人能力育成教育のスペシャリストとして約20年に渡り活動中。テクニカルエンジニア(システム管理)、MCSE、ITIL Manager、COBIT Foundation、話しことば協会認定講師、交流分析士1級などの資格や認定を持つ。なおITIL Manager有資格者は国内に約200名のみ。「ITと人材はビジネスの両輪である」が持論。ブログ→谷誠之の「カラスは白いかもしれない」


"COBIT"とCOBITのロゴは、米国及びその他の国で登録された、ITガバナンス協会(ITGovernanceInstitute本部:米国イリノイ州:www.itgi.org)の商標(trademark)です。COBITの内容に関する記述は、ITガバナンス協会に著作権があります。本文中では、Copyright、TM、Rマーク等は省略しています。なお、COBIT及び関連文献はITGIJapan(日本ITガバナンス協会)のWebサイト(www.itgi.jp/download.html)を経由して入手することが出来ます。本連載の用字用語については、一部COBITにおいて一般的な表記を採用しています。

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COBIT|SOX法|運用管理|内部統制


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