今回は、可用性を高めるために先人が残した分析手法を紹介する。温故知新という言葉もある。昔から色々と研究され、編み出された手法を使わせてもらうのは非常に有効な手段である。
CFIA(Component Failure Impact Analysis)は、IBMによって開発された、ITの障害を分析し対策をとるための手法であり、一般には「コンポーネント障害インパクト分析」という。すべて日本語に訳して、「構成要素障害影響分析」と称されることもある。その手順を図1に示す。
まず、「業務」と「その業務に使用するシステムとの関係」を明らかにする。よく用いられるのは、《格子分析》と呼ばれる手法である。格子分析は図2のように、業務(縦軸)とそれに使用されるシステム(横軸)の関係をマトリクスにして明らかにする。その上で、各システムに障害が発生したらどの業務にどれぐらいの影響が出るのか、障害の原因にはどのようなものがあるのか、ということを詳細に分析していく。
詳細分析が行われたら、次にそれぞれの問題や原因に対する対策を考える。対策はブレインストーミングを通じ、意見を出し合うのが効果的である。
ブレインストーミングは、10名から20名程度の少人数で行われるアイデア出しの手法である。ある課題についての解決法を、参加者が思いつくままに発言することによって、既成概念にとらわれない様々なアイデアを出すことを目的としている。
ブレインストーミングのポイントは、次の3点である。
アイデアの質よりも、その量を重視する
荒唐無稽、実現不可能なアイデアであっても歓迎する)
他人のアイデアに対して、賛成も反対もしてはいけない
他人のアイデアを下敷きにして、新しいアイデアを出してもかまわない
こうしてアイデアを出した後で、当初の目的を達成するためにそのアイデアを整理していくのである。
具体的な障害対策に加え、次のような項目について検討しておくことが望まれる。
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