本来、Backup Execの中心となるコンポーネントは、Backup Execメディアサーバになる。これは、仮想テープ装置(実態はネットワークディスクなど)も含むテープメディアにバックアップを行うツールだ。こちらを利用すれば、従来のテープ装置にバックアップを行うのと同じ手順で、バックアップおよびリカバリが行える。従来からWindows Serverが持っているバックアップ機能を用いテープメディアにバックアップを行っているのならば、Backup Execメディアサーバを利用して、手順を大きく変更することなくバックアップ作業が行えるだろう。
しかし今回は、CPSを用い、バックアップ対象となるサーバのディスクから、バックアップサーバのディスクにデータを保護する構成としている(ディスク to ディスク:D2D)。本来ならば、これにBackup Execメディアサーバを加え、バックアップサーバのディスクからさらにテープ装置に(ディスク to テープ:D2T)バックアップを行う「D2D2T」の構成を取るべきだろう(図3)。ここまでできれば、データがバックアップサーバのディスクにあれば瞬時にリストアができるし、仮にバックアップサーバに障害が発生してもテープ装置からデータを復旧することも可能となり、多段階でデータを保護することができる。
D2D2Tの構成で、Tの部分を遠隔地の仮想テープ装置にすれば、それだけで災害対策にもなるだろう。今回は、バックアップ環境強化の最初のステップなのでD2Dの後ろのDをRAID化するところでおしまいとなっている。D2Dでは、バックアップサーバそのものの障害に対しては、非常にもろい構成だ。それをRAID化することである意味ごまかしているとも言える。ゆくゆくはD2D2Tまで発展させ、災害対策についても検討したいところではある。
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