コラム
» 2008年06月10日 14時30分 UPDATE

愛着を抱かせる不思議な魅力:iPhoneの秘伝のソースは“あなた” (1/2)

iPhone 2.0への期待が異常に高まっている理由は、ほとんどの競合デバイスがiPhoneに追いつけない理由と同じだ。

[Joe Wilcox,eWEEK]
eWEEK

 Appleは秘密のレシピに“あなた”という素材を少し加えた。今週、.Macが「Mobile Me」という名前に変更される可能性があるというのも、おそらくそれと同じような理由なのかもしれない。Appleは“あなた”の重要性を理解しており、iPhoneに挑もうとしているほかの携帯電話に欠けているのがこの素材だ。

 Appleの競合企業は、タッチスクリーンにフォーカスすることによりiPhoneの成功をまねようとしてきた。しかしそれは見当違いというものだ。タッチスクリーンは新しい技術ではない。例えば、Treoユーザーは何年も前からタッチUIを使っている。

 Appleは携帯電話でより本質的なものを見抜き、それをiPhoneのすべての機能に埋め込んだのだ。携帯電話は非常にパーソナルなデバイスである。おそらく、人々が持ち歩く物としては最もパーソナル的な性格が強い製品だろう。この「パーソナル性」の背後には感情的な要素も存在し、Appleはユーザーがデバイスを操作する方法という形でそれを引き出したのだ。携帯電話がフリップ型かキャンディバー型かということには関心はないが、iPhoneは好きだという人もいる。Appleのモバイルは彼らにとって何らかの意味があるのだ。

 iPhone以外で成功した携帯電話も同様の特質を共有している。例えば、メール好きの十代や二十代の若者の間で人気があるT-Mobile Sidekickである。Sidekickは非常にパーソナルなデバイスであり、個人同士の関係を育むのに役立つ。わたしが知っているSidekickユーザーの多くは、このモバイルデバイスに強い愛着を抱いている。

 もう1つの例がBlackBerryである。これが「Crackberry」と呼ばれたりするのには理由がある(訳注:Crackは麻薬の意)。仕事であれ遊びであれ、ユーザーが電子メールを通じて常につながっていることができるのが、このデバイスの魅力だ。BlackBerryユーザーは、その優れた接続性を通じて目的意識や帰属意識を感じるのだ。

 RIMもこの点を理解している。今日、わたしの手元に郵送されてきた「Economist」誌に掲載されているRIMの全面広告は「BlackBerryのある暮らし」というキャッチフレーズで始まっていた。そのほかにも「BlackBerryスマートフォンのパワーを通じて、あなたの愛する人々すべてにつながる」とか「BlackBerry――あなたの願望の対象」といった宣伝文句が並んでいた。ここでも“あなた”に力点が置かれているのだ。

iphone1.jpg 2008年1〜3月期 携帯電話の出荷数(企業、出荷台数、世界シェア、前年比増加率)

 SidekickにもBlackBerryにも大きな欠点があるが、そのユーザーの多くはまったく気にしていないようだ。Sidekickはかさばり、重さは200グラムもある。BlackBerryは電子メール用としては素晴らしいが、そのほかの接続機能には不満が残る。欠点はほかにもたくさんある。

 iPhoneの最初のバージョンも以下に示すように欠点だらけだが、やはり熱狂的ファンの多くはこういった欠点を気にしていない。

  • 高価格(キャリアの補助金なし)なのに2年契約
  • ガラス製ディスプレイは損傷しやすいが、AT&Tは保険契約を用意していない
  • 2G(第2世代)の通信速度は遅い。Wi-Fiは代替技術として不十分
  • 2メガピクセルのカメラは大したことがなく、ビデオ機能を備えない
  • 固定バッテリー
  • フラッシュメモリをサポートしない
  • ワイヤレス同期化機能を備えない

 これはほんの一部にすぎない。全部で1ダース以上の欠点を数え上げることができるiPhone 1.0は、AT&TのTilt、HTCのTouch Diamond、NokiaのN95といった多数の競合デバイスよりもはるかに機能が劣る。

 しかしAppleがiPhoneに組み込んだ機能はすべて、個人的な親近感を抱かせるような方法で非常にうまく動作する。多くの競合デバイスは多数の機能を詰め込んでいるが、必要でない機能が多すぎるのだ。例えば、わたしのN95にはバーコードリーダー機能が付いている。まるでわたしがそんな機能を本当に必要としていると言わんばかりだ。

iphone2.jpg 2008年1〜3月期 全世界でのモバイルOSの出荷数(モバイルOS、2008年1〜3月期、2008年の世界シェア、2007年1〜3月期、2007年の世界シェア)
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