マイクロソフトが中期経営方針、パートナーとの関係強化へ「ゲイツ氏は質素」と樋口氏

マイクロソフトは樋口泰行社長が新年度の経営方針を明らかにした。パートナーとの関係強化を表明した。

» 2008年07月01日 16時25分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 マイクロソフトは7月1日、都内のホテルで記者説明会を開催し、樋口泰行社長が新年度の経営方針を明らかにした。2009年から2011年の中期経営方針は「地に足のついた革新で確実な成長軌道を実現する」。前社長のダレン・ヒューストン氏が推進した「PLAN-J」を明示的に打ち出す考えはないとした。

 樋口社長は「パートナーとの関係が鍵。足繁く通い連携を図りたい」とし、草の根から営業力の底上げを目指すと話した。企業向けに注力する分野として、同社のSaaS(サービスとしてのソフトウェア)事業を含む「ソフトウェア+サービス戦略」、仮想化ソフトの「Hyper-V」、データベースの「SQL Server 2008」、Webで動画やアプリケーションを利用するためのプラグイン「Silverlight 2」を挙げている。

「誰から給料をもらっているのかを常に考える組織にする」と話す樋口氏

 パートナーに加えて「開発者の支援に注力する」と話す樋口氏。これまで各種のトラブル対応などが手薄との批判があったことに応じ、1万ページにおよぶ技術者向け文書を日本語化することを決めた。トラブルに日本法人が独自に対処する体制の構築も視野に入れているという。

 この日マイクロソフトは、新たに消費者市場向け部門として「コンシューマー&オンライン事業部」の設立を明らかにした。

 質疑応答で具体的な取り組みを聞かれると、樋口氏は執行役常務コンシューマー&オンライン事業部、コンシューマー&オンラインマーケティング統括本部長の笹本裕氏にマイクを渡した。笹本氏からは「PCだけでなく、携帯電話、テレビ、オンラインを連携させ、ソフトウェアからサービスまで提供する」と20秒程度の短い回答。具体策はなかった。

ハンバーガーを食べるゲイツ氏

 樋口氏は、経営の第一線から退き社会貢献を中心に活動することになったビル・ゲイツ氏について「頭は社会貢献ばかりに向かっているのかと思っていたが違った。今も将来のマイクロソフトのことを考えている」と話した。ソフトウェア事業は固定費が掛かるため、方向性を間違えるとインパクトが大きいという。広い視野でMicrosoft全体を導くために、今後週に一度出社した際に、ゲイツ氏がソフトウェアの方向性をアドバイスすることになっているとした。

 樋口氏は先日ゲイツ氏と会った際の印象について、冗談交じりに次のように話した。

 「ゲイツ氏はとても質素な人で、一緒にマクドナルドのハンバーガーを食べた。わたし自身マクドナルドのハンバーガーを久々に食べた。彼の資産でハンバーガーを何個買えるだろうか」(樋口氏)

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