地球温暖化問題をキーワードで理解しよう洞爺湖サミット迫る(2/5 ページ)

» 2008年07月02日 15時20分 公開
[岩上由高(ノークリサーチ),ITmedia]

 京都メカニズムには含まれないが、CO2削減義務と深くかかわる活動として以下についてもまとめて解説する。

「クリーン開発メカニズム」

 CO2削減義務を負った先進国が義務を負っていない発展途上国に資金や技術を提供し、発展途上国内で発生するCO2の削減に貢献した場合、そのCO2削減量に応じたCO2排出枠を獲得できるという制度である。英名「Clean Development Mechanism」、略称は「CDM」。

「共同実施」

 クリーン開発メカニズムは先進国と発展途上国との間でやり取りであったが、これを先進国同士で行う場合を「共同実施」と呼ぶ。先進国全体としてのCO2削減量は変化しないため、京都議定書における合計排出量目標達成に直接寄与するものではない。ただし、資金や技術は持っているが削減が難しい先進国と削減は可能であるが資金や技術が不足している先進国があった場合、互いに補い合うことでより効果的なCO2削減を実践することが可能となる。英名「Joint Implementation」、略称は「JI」。

「排出量取引」

 排出権取引、排出枠取引などとも呼ぶ。先進国の間でCO2排出量の売買を行う仕組みである。先進国Aが目標を越えたCO2削減を実現できた場合、先進国Aは目標数値と実績数値の差分に相当するCO2排出枠を先進国Bへ売ることができる。英語名は「Emission Trading」、略称は「ET」。

「吸収源活動」

 自国内にて植林を行うことによって自国内のCO2吸収量が増加したと見なし、その分に相当する追加のCO2排出枠を獲得できる仕組み。英語では「Land Use, Land Use Change and Frestry」(LULUCF)と呼ばれる。

「炭素クレジット」

 京都メカニズム及び吸収源活動は活動主体となる先進国が何らかの方法で追加のCO2排出枠を獲得する仕組みであるが、このCO2排出枠をやり取りする際の取引単位が「炭素クレジット」である。取引の単位は「1t-CO2」(1トン分のCO2)である。炭素クレジットは第三者機関によって発行されるCO2削減証明でもある。CO2排出枠を取り引きする上記四つのいずれの活動に該当するかによって、取引される炭素クレジットの種類が以下のように決められている。

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