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ビジネスマンの不死身力:「早食い」する気がしなくなるお話

「早食いの人は太る」とよくいわれます。満腹信号が脳に届くのには時間が掛かるために食べすぎてしまうというのが定説ですが、それだけではありません。


 前回「夜食」と「朝食抜き」の弊害について取り上げました。こういったよくない食習慣は、それだけで肥満につながってしまいます。食事をする際は「何を食べるか」だけではなく、「どのように食べるか」も非常に重要なのです。

 この「どのように食べるか」については、もうひとつ重要なことがあります。それは「よく噛んで、ゆっくり食べる」ということです。

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 「早食いの人は太る」と、よくいわれます。これまでの定説としては「おなかがいっぱいになった」という信号が脳に届くのには時間がかかるため、つい量を食べ過ぎてしまうというものでした。確かにそれも事実なのですが、早食いの人が太りやすいのは、それだけが原因ではありません。

 一気に食べると、それだけ血糖値も急激に上昇します。すると、血糖値を抑えるためにインスリンが分泌されます。このインスリンという物質が、どうやって血糖値を下げているかというと、摂取した糖を脂肪に変えることによって元の値に戻しているのです。つまり、単に食べ過ぎてしまうというだけではなく、「早食い」という行為自体が肥満の要因になるといえます。

 実際、糖尿病の治療においても「よく噛んで、ゆっくり食べる」という項目が、必ず盛りこまれているそうです。早食いをしないためには、とにかく「よく噛むこと」です。軟らかい食べものもあれば、硬いものもあるため一概にはいえませんが、理想の咀嚼回数は、ひと口につき30回程度。食べものが唾液と混ざり、おかゆのようになるまでがめやすです。

 とはいえ「よくかんで、ゆっくり食べる」というのは、簡単なようで、結構むずかしいもの。ひと口にごとにそんなに噛んでいたら、それだけで短いランチタイムが終わってしまいそうです。どうしても時間がとれなければ、比較的ゆっくり食事ができ、かつ、カロリーオーバーになりがちな夕食時だけでも「ひと口30回」を実践してみましょう。

 早食いの人は特に、食べものを口に入ると反射的に飲みこんでしまうため、口の中にとどめておくだけでもひと苦労かもしれません。その場合は、のどを閉める練習(水を口に含み、顔を上に向け、その状態でも水が流れないようにする)から始めてみましょう。

 さらに、食べるときは、舌の後ろのほうに食べものをもっていかないようにするのもコツ。最初はむずかしく感じるかもしれませんが、徐々に慣れてきます。

 早食いは単に「くせ」になっている場合がほとんどです。意識さえすれば、比較的簡単に改められる習慣です。今日からでも実践してみましょう。

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著者プロフィール:吉岡享子

料理系雑誌の編集者。食や栄養に関するテーマを中心に記事を書いている。趣味は料理だが、実はかなりの偏食傾向あり。「紺屋の白袴」とはまさにこのことか。


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