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伝統に“新しい風”:iPhoneを利用した展示会ガイダンス――老舗百貨店 松屋が採用 (1/2)

老舗の百貨店の一角が、iPhoneやiPod touchを手にした人々でにぎわっている――松屋銀座本店でこんな光景を目にすることができる。展示会の会場ガイダンス用端末として、iPhoneやiPod touchが利用されているのだ。


 設立から89年の歴史を持つ老舗の百貨店、松屋銀座本店(松屋銀座)で、現在開催されている展示会では、会場ガイダンス用端末として「iPhone」と「iPod touch」が利用されている。これらの端末の利用環境として店内に無線LANのネットワークを構築する必要があり、解決しなければならない課題もあった。

伝統に“現代のエッセンス”を加えた展示会

日本デザインコミッティーのナガオカケンメイ氏 デザイン物産展ニッポンのコミッショナー ナガオカケンメイ氏

 この展示会は「デザイン物産展ニッポン」。日本デザインコミッティーが主催し、2年に1度開催される“デザイン”にこだわった展覧会の一環だ。日本デザインコミッティーのメンバーでデザイン物産展ニッポンのコミッショナーのナガオカケンメイ氏によると、今回のコンセプトは「物産展をデザインでよみがえらせる」。日本の47都道府県の伝統工芸品などに現代の感覚が“デザイン”として加わったものを展示している。例えば広島県の展示品には、「しゃもじ」や「無水鍋」「もみじ饅頭」などが並ぶ。

 会場内ガイダンス用端末として、iPhoneやiPod touchが利用されている。ここにも「伝統的な物に現代のエッセンスを加える」というコンセプトが生きている。狙いは、動画や文章、静止画などのコンテンツを展示物と連動させることで、来場者に展示物をより具体的に理解してもらうことだ。

tsg0827mt9.jpg iPod touchを手に展示を鑑賞する来場者

 「デザインを重視した展示会では、美術館で用いられるような音声ガイダンスだと面白みがありません。展示物の特性を最大限に表現するため、動画や静止画を含めたさまざまな形でガイダンスができればと考えました。そこで、今回の展示会のコンセプトに沿った新しい試みとしてiPhoneやiPod touchを採用したのです」(松屋宣伝部文化催事課文化催事係の戸賀崎正彦主任)

 会場内には100台の貸し出し用iPod touchが用意されたほか、自前のiPhoneやiPod touchを持ち込んでガイダンスを視聴することもできる。初日となった27日は、開始2時間で40台前後の貸し出しがあり、滑り出しは上々のようだ。

コンテンツに込められた、年代を問わず楽しめる仕掛け

 「デザイン物産展ニッポンの来場客の想定年齢層は、20〜30代」(戸賀崎氏)というが、松屋銀座の既存顧客の年齢層はそれに属さない。松屋銀座の顧客層に、iPhoneやiPod touchが受け入れられるのか。

 戸賀崎氏は「iPhoneやiPod touchは誰にでも操作しやすい。年代を問わず楽しめるコンテンツも用意しています」と話す。

 コンテンツにはどのような工夫が凝らされているのだろうか。その1つは、「“オカン”(お母さん)でも分かるガイダンス」というコンセプトだ。ナガオカ氏によれば、「“オカン”仕様では、初期画面からワンタッチでビデオが再生されます」という。展示会の来場者の想定年齢だけでなく、百貨店の顧客の想定年齢も意識したコンテンツ作りを心掛けたのだ。

tsg0827mt3.jpgtsg0827mt4.jpg 初期画面には「ビデオ」と「safari」と「計算器」のみを表示(左) “オカン”仕様ではワンタッチでビデオが再生される

 展示品をさらに深くに楽しみたい来場者のためのコンテンツも用意している。iPhoneやiPod touchから専用のURLにアクセスすると、静止画やテキストによる展示品の解説だけでなく、動画によって製造工程も見られる。“どの”都道府県の、“どの”製品について知りたいかを自分で選んで展示を楽しめるこの仕掛けは、日本語と英語に対応している。

tsg0827mt6.jpgtsg0827mt7.jpgtsg0827mt8.jpg 都道府県の選択画面(左) 展示物の選択画面(中央) 愛知県の「食」を選択すると「まかろん」の詳細が表示される(右)
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