北海道の総合行政システム、VMwareでサーバを仮想化――物理サーバレスになった自治体も

北海道で自治体向けに総合行政システムを提供する北海道自治体情報システム協議会は、同システムのサーバの仮想統合にVMwareを採用した。人件費やシステムコストを削減できた。

» 2008年10月07日 18時49分 公開
[ITmedia]

 ネットワールドは10月6日、北海道自治体情報システム協議会が総合行政システム「G-TAWN」のサーバ仮想統合に「VMware Infrastructure 3」を採用したと発表した。

 行政システムの構築や運用は、小規模な自治体にとって負担が大きいという。ネットワールドによると、札幌市なら住民1人当たりの負担は50円程度であるのに対して、1000人程度の自治体では1万円の負担となるといった例があるという。また、制度の改正から実施までの期間が短期化したことで迅速なシステム対応が求められるようになり、各自治体による単独での取り組みでは対処できなくなっていた。このような課題を受け、同協議会では共同利用可能な総合行政システム「G-TAWN」を提供してきた。

 従来、各自治体が設置してきたG-TAWNの物理サーバをVMware専用移行ツールである「VMware Converter」と米PlateSpinの「PlateSpin PowerConvert」を利用して仮想環境に移行した。現在、4町村のサーバ統合が完了し、「VMware ESX」が導入された5台の物理サーバ上で、50台以上の仮想サーバが稼働している。VMwareによる仮想環境に移行することで、コスト削減、信頼性、可用性を確保し、行政サービスを向上させることを目的に、今後も統合の取り組みを拡大するという。

 仮想環境へ移行した4町村については、庁内にサーバがなくなったことで、システム運用管理に要する人的コストを削減できたという。運用にかかる人件費が従来の1/4に削減した自治体もある。リース期間を5年として試算すると、従来と比較して約20%以上のシステムにかかわるコストを削減できるとしている。

 実行中の仮想サーバを物理サーバ間で再配置する「VMware VMotion」やリソースを動的に割り当てる「VMware DRS」、物理サーバ障害時に別のサーバ上で自動的にコールドリスタートを行う「VMware HA」などの機能が適用されたことで、インフラ全体の可用性が向上したという。業務で重要なデータをデータセンターと各町村の両方で保持するため、大規模自然災害の際などにも、行政サービスを継続させることが可能となった。

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