インタビュー
» 2019年09月11日 07時00分 公開

AIが「対話できるキャラクター」を現実に、“大人の究極のごっこ遊び”の第一歩 (1/3)

顧客やファンのエンゲージメントを高めるチャットbotを提供してきたgooは、チャットbot作成プラットフォーム「goo botmaker」を提供開始した。プロジェクト第1弾の壽屋との取り組みを取材した。

[唐沢正和,ITmedia]

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 ここ数年で、チャットbotを利用したコミュニケーションサービスが急速に広がっている。その背景としては、MicrosoftやFacebook、LINEなどのチャットサービス大手からチャットbotの開発プラットフォームが提供されたことが挙げられる。これにより、各企業が独自のチャットbotを開発し、活用可能になった。

 特に、チャットbotの普及が進んでいるのがカスタマーサポートの領域だ。FAQの情報をあらかじめ登録しておくことで、24時間いつでもチャットbotによる顧客対応が可能となる。例えば、顧客からの問い合わせ窓口にチャットbotを設置することで、サポート要員が直接応対する件数を削減できる。また、社内向けのヘルプデスクにチャットbotを導入することで、従業員からの問い合わせ対応業務を効率化可能だ。

 こうした中、今までとは全く異なるアプローチで、チャットbotの新たな可能性にチャレンジしているのが、ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントだ。同社は、“あなたのキャラクターがしゃべりだす!”をキャッチフレーズに、誰でも簡単にキャラクターのチャットbotを作成できるプラットフォーム「goo botmaker」を発表。現在、本格的なサービスリリースに向けて開発を進めている。

 goo botmakerは、従来のチャットbotのように質問に対して正解を答えるというものではなく、キャラクターとの会話を楽しむ、いわゆる“雑談型”のチャットbotを作成するためのプラットフォームを目指している点が大きな特徴だ。このプラットフォームを活用することで、人工知能(AI)の専門知識や技術ノウハウがないクリエイターでも、ファンや友達とともに、独自のキャラクター性を持ったオリジナルのチャットbotを自由に作り出せるという。

NTTレゾナントの河村智司氏

 「当社では、3年前から本格的にAI分野に取り組んでおり、『教えて!goo』で培ったAI対話エンジン『gooのAI』を用いた恋愛相談サービスや旅行プラン提案サービスをgooで提供してきた。また、法人向けサービスとして、航空会社やテレビ番組などのオリジナルチャットbotを開発、提供してきた。これらのチャットbotは、対話によって顧客のエンゲージメントを高めることを目的としたものだった」と、キャラクター性のあるチャットbot開発に以前から取り組んできたと語るのは、NTTレゾナントの河村智司氏(パーソナルサービス事業部 CA部門 サービス開発チーム 担当課長)だ。

 「これまでに10数社に、さまざまな法人向けチャットbotを提供してきたが、一般のユーザーやクリエイターの視点からチャットbotを作ったらどんなものができるのか、それが世の中にどのような変化をもたらすのか。チャットbotの新たな可能性にチャレンジするべく、goo botmakerの開発がスタートした」と、goo botmakerが生まれた背景について述べた。

 そして、goo botmakerのサービス公開に向けて、現在取り組んでいるのが、プラモデルやフィギュア制作を手掛ける壽屋との共同プロジェクト「ファクトリーアドバンス・ゼロ」(※)だ。このプロジェクトは、壽屋原作のアニメ作品「フレームアームズ・ガール」の世界観を再現するチャットbotを、一般ユーザーから選ばれた研究員とともに開発していくというもの。goo botmakerのサービス提供に向けたプロトタイプ展開でもあり、壽屋がクリエイターを務め、フレームアームズ・ガールのファンとともにキャラクターのチャットbotを育成していく取り組みとなる。

※本プロジェクトは2019年7月31日で終了しております

 2019年5月には、プロジェクトの第1弾となるチャットbot「轟雷ゼロ」を「LINE@」上で公開。原作アニメの登場キャラクターである「轟雷」が主人公との生活を通じて感情を理解したように、轟雷ゼロもユーザーとのチャットを通じて感情を理解していくという。

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