ASUS製品へのウイルス混入が拡大、製造段階では検出できず

ASUSTekの「Eee Box」にウイルスが混入していた問題で、新たに「Eee PC 701SD-X」の外付けHDDにも混入が確認された。

» 2008年10月14日 17時21分 公開
[ITmedia]

 Eee Boxにウイルスが混入した問題で、ASUSTekの日本法人は10月14日、PC製品「Eee PC 701SD-X」に付属する外付けHDDにも混入が確認されたと発表した。同製品の無償回収を実施する。

 同社によると、新たなウイルスの混入はEee Boxへの感染問題の調査過程で見つかった。Eee PC 701SD-Xの外付けHDDに感染したのはトロイの木馬型の「TROJ_GAMETHIE.RZ」(トレンドマイクロでの判定)とみられ、オンラインゲームのパスワード情報などを盗み出す可能性があるという。同社の出荷前調査で1000台のHDDのうち、20台に混入が認められた。

Eee PC 701SD(同社サイトより)

 同製品は9月20日に発売され、約2万台が出荷済み。同社では「調査中だが、400台程度が感染しているもようだ」と話している。同社では購入者に対して、ASUSサポートセンターに連絡するよう呼びかけており、10月17日からウイルス対策ソフトをバンドルした代替HDDを無償で提供するとしている。

 また、同社はEee Boxへの感染問題の追加報告も行った。Eee Boxへの感染では、8月中旬に生産工場で日本向け製品用のシステムデータにワームの「W32.SillyFDC」(シマンテックでの判定)が混入していた。8月段階のSymantecの定義ファイルでは検出できなかったが、9月以降は検出できるようになっているという。

 Eee Boxは10月初旬現在で4500台を出荷したが、全製品に感染している可能性があり、300台が販売済み。同社では10月3日に製品の無償回収を発表し、10月14日から交換製品の発送を始めた。

 同社によると、2件のウイルス混入はいずれも中国の生産工場で製造段階に起きた可能性があるという。混入経路は「引き続き調査中」としながら、対策として「複数のウイルス対策ソフトウェアを併用しながら、最新の定義ファイルを用いた検査を徹底する」と話している。

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