“199ドルノート”の安くない中身に迫る――ASUS「Eee PC」(前編):SSD搭載の激安モバイルPC(1/3 ページ)

» 2007年11月16日 11時30分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

3つの「Easy」を目指した低価格なA5ノートPC

 「Eee PC」は、国内においてはマザーボードベンダーとして認知度の高い台湾ASUSTeK Computer(ASUS)製のミニノートPCだ。低価格を大きな武器としており、COMPUTEX TAIPEI 2007では“199ドルノートPC”として話題になったのが記憶に新しい。2007年10月から11月にかけて本国の台湾や米国で販売が開始され、大きな注目を集めている。

 この度発売となったのは、カスタマイズを施したLinuxと各種アプリケーションがインストールされた製品だ。ラインアップは複数用意されており、価格は当初より若干高い299〜399ドルとなったが、それでもノートPCとしては圧倒的な低価格といえる。年内にWindows搭載モデルも投入される予定だ。

フットプリントは225×165ミリ、厚みは21〜35ミリで、工人舎のミニノートPC「SA1F」や「SH6/SH8」シリーズなどとほぼ同等だ。重量は約0.92キロと軽い。写真ではわかりにくいが、カラーリングはパール加工された白で光沢感がある。質感はプラスチッキーだが、ディスプレイの開閉などは滑らかでヒンジもしっかりした作りだ

 Eee PCは、ノートPCというよりは高機能インターネット端末という意味合いが強い製品だが、ハードウェアはx86アーキテクチャのノートPCそのもの。ストレージにSSDを採用するなど日本での注目度も高く、早期の発売が期待されている(現時点で国内での発売時期は未定)。今回は台湾で店頭購入した製品が届いたので、そのインプレッションをお届けしよう。

 ちなみにEee PCの「Eee」とは、「Easy to Learn」「Easy to Work」「Easy to Play」の3つの「Easy」を指しており、簡単に習得できる、仕事に使える、楽しめるといった意味を持つという。同社のWebサイトを見ると「Excellent」の「E」という意味も持たせているようだ。

Eee PCの基本仕様をチェック

 Eee PCの正式名は「ASUS Eee PC 701」。いわゆるA5ミニノートPCで、重量は約0.92キロだ。液晶ディスプレイは7インチワイドで、解像度はWVGA(800×480ドット)をサポートしている。現時点ではメインメモリとSSDの容量、バッテリー容量の違いで4モデルが用意されており、今回はモデル名「Eee PC 4G」の512Mバイトメモリ、4GバイトSSD、大容量バッテリー(約3.5時間駆動)を搭載した製品を入手した。どうやら現時点では、このモデルしか店頭出荷されていないようだ。

 冒頭でも少し触れたが、今回レビューを行う製品は筆者の知人に台湾で購入してもらったものだ。12200元(ニュー台湾ドル)で購入したので、2007年11月16日現在の為替では日本円で42000円程度になる。この関係でキーボードやプリインストールソフトは現地版となっているが、ソフトに関しては店頭購入時に英語化してもらえた。ASUS(華碩電脳)の直営ショップ(と思われる)で対応してくれた店員さんに多謝だ。

バッテリーは4セルで、容量は7.2ボルト5200mAh(写真=左)。カタログスペックでのバッテリー動作時間は約3.5時間だ。「Surf」の名が付く下位モデルは、同じ4セルでも容量が7.2ボルト4400mAhに抑えられ、バッテリー動作時間は約2.8時間になる。付属品は、ACアダプタをはじめ、Windows用ドライバやユーティリティを含むリカバリDVD-ROM、ソフトケース、マニュアル類で、マニュアルはすべて中文版だった(写真=中央)。付属のソフトケースは収縮性が多少あり結構タイトで、本体が簡単に抜け落ちないようになっている(写真=右)。カバンなどに収容する場合のインナーケースとして便利だ

 基本スペックを確認しておくと、今回入手した個体はCPUがCeleron M 353(900MHz)、チップセットがIntel 910GML Express/ICH6-M、グラフィックスチップはチップセット内蔵のIntel GMA900という構成だった。簡単にいえば、一世代前のミニノートPC向けIntelプラットホームだ。

 CPUコアはPentium Mの2次キャッシュ縮小版「Dothan-512K」で、L2キャッシュ512Kバイト、FSB 400MHzとなっており、90ナノプロセスで製造されたものだ。「今回入手した固体」と断っているのは、ASUSのグローバルサイトで確認すると、マーケットによって主要スペックも変更があると記述されているし、既に発売されている北米向けのサイトでも「Intel CPU & Chipset」以上の表記がないためだ。

「CPU-Z」でCPUやチップセットを確認。CPU動作クロックが定格の900MHzではなく630MHzとなっているのが気になるが、この点は後編で触れる

 メインメモリはDDR2のSO-DIMMをサポートしており、メモリスロットは1つだ。今回入手した製品のメモリ容量は512Mバイトだが、増設する場合にはメモリモジュールの交換が必須となる。メモリスロットには底面のカバーを空けるだけで簡単にアクセスできるようだが、ここには封印シールが張られており、ユーザーによる交換は保証対象外だ。この点はEee PCの位置付けが高機能インターネット端末であることに関係するのだろう。

 モバイルノートPCに必須のネットワーク機能は、100BASE-TXの有線LANとIEEE802.11g/bの無線LANを装備。無線LANチップはアセロス・コミュニケーションズ製で、同社の無線高速化技術「Super G」もサポートしている。

 外部インタフェースは、3つのUSB 2.0ポート、SDメモリーカードスロット、アナログRGB出力、オーディオ入出力を備える。特に豊富ではないが、サイズを考慮するとUSBポートが3つあるのはポイントが高い。また、SDメモリーカードスロットはすっぽりとカードが収まるタイプなので、装着したままでも安心して携帯できそうだ。SDHCにも対応しているようなので、大容量カードを増設ストレージとしても使えるだろう。

外部インタフェースは左右に分散されている。USBポートは3つで、右側の2ポートが上下ではなく左右に並んでいるため、厚みのあるコネクタでも無駄なくポートを利用できる。モジュラージャックは埋められているが、インターネット接続環境がダイヤルアップ中心の地域向けには、モデム内蔵モデルも提供されるのだろう

SDメモリーカードのスロットは、このようにカードがすっぽり収まるタイプ(写真=左)。エレコム製の4GバイトSDHCメモリーカードは問題なく認識された。インジケータは右側最前列に用意され、ディスプレイを閉じた状態でも確認できる(写真=中央)。すべて色が異なり、識別は容易だ。インジケータは液晶ディスプレイを閉じた状態でも確認できる(写真=右)

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