コラム
» 2008年10月20日 09時00分 公開

伴大作の「木漏れ日」:ITとの距離感──「コンピュータのこと、俺は分からん!」 (1/3)

経営者はIT部門の社員自身を理解する必要など全くない。将棋の駒として、自在に使えるようにすればいいのである。ITの知識のない経営者がIT部門を掌握する方法を教えます。

[伴大作(ICTジャーナリスト),ITmedia]

 近ごろ、「IT経営」が大きな注目を浴びている。しかし。一般の経営者にとって情報システム部門(IT部門)は頭痛の種である場合が結構多い。すべての経営者がITを理解しているわけではない。むしろ、ITに関する知識がほとんどない経営者の方が多いというのが現実だ。現実を踏まえると、ITについて語れない経営者に失格という烙印を押すのはいささか早計だと言ってあげた方が優しいような気がする。

 IT部門を理解するのが難しいのは、IT部門のスタッフが使う言葉で略語や専門語を多用するため、門外漢である経営者が、彼らの会話を理解できないために生じている場合が多いようだ。つまり、インタフェースの問題といっても過言ではない。

理解を放棄する

 経営を進める上で、IT部門に関する課題以上に重要なことが幾つもある。例えば、毎日の日常業務に関すること(売り上げや利益の推移、それへの対策や指示)、今後の戦略、海外展開などの長期的視野に立った判断、大口の顧客や官公庁、同業者とのお付き合い、冠婚葬祭など経営者がしなければならない仕事は山ほどある。

 数多くある仕事のうちの1つ、ある意味工場建設、支店設置と同程度にしか思えないようなIT投資になぜそれ程の情熱を傾けないとダメなのか。

 そこで、経営者のITに関して、最低限知っておかなければならないことをお伝えしよう。これだけ踏まえておけば、IT部門のスタッフは必ずあなたにひれ伏し、言うがままに動くに違いない。ゆめゆめ、ITを理解しようなどと考えてはいけない。

新社長に就任して

 あなたが社長に就任したとき、まず最初に取り掛かることはIT投資の全容把握だ。その第一歩として、IT部門の責任者を呼び、自社のITの概要をレクチャーさせることをお勧めする。

 わたしの経験から、本社のIT部門の責任者が全社のシステム全体を掌握しているケースはまれだ。たぶん、彼は即座に答えられないだろうから、困惑した顔をして直ちに調べて報告するように命じなければならない。同時に個別のシステムの予算と決済を誰が担当しているのか、調べるように命じる。これをまず最初の一歩としよう。

 IT部門の責任者は、社長からの命令にたぶん仰天する。これが、大事なのだ。「今度の社長は手強いぞ」と思わせることが重要なのだ。

内情

 わたしの経験では、本社の情報システム部門が全社のすべてのシステムを掌握しているケースはまれなのだ。通常、本社の情報システム部門が管掌しているのは営業部門や事務部門の、いわゆる基幹系と呼ばれるシステムに限られている。

 その他あまたのシステム(製造系、物流系、技術系、分析系、DTP、ホームページなどのシステム)は、IT部門の管轄外だという場合が多い。社員全員に配備されたOAシステムやそれらを繋ぐネットワークシステムはIT部門の管理下にあるのが通常だが、勝手に設置されたPCやサーバ、時には無線LANのハブなどは、利用実態を把握できているとはお世辞にも言えない。

 したがって、彼は社長の諮問に直ちに答えられるわけがないのだ。

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