企業に必要なのは「ヒト、モノ、カネ」という資産。ではその「資産」について、ITIL V3ではどのように定義されているのだろう?
太古の昔(?)より、会社がその事業を遂行していくために必要な資産は「ヒト、モノ、カネ」だといわれてきた。現代でもその様相は変わらない。多くの企業は、人的資産(アタマカズという意味でも、それぞれのヒトが持つスキルという意味でも)をどのように調達するか、物資(施設や設備、ものづくりであれば材料だとか、運送業であればトラックだとか、いろいろ)をどれぐらい用意するか、カネ(言葉どおりだ)をどうやって工面するかで、頭を悩ませてきた。
しかし不思議なことに、ITサービスという観点においては、その「ヒト、モノ、カネをどうやって準備するか」という概念が大幅に狂ってしまうらしい。それよりも紙誌面を踊らせ、経営者が頭を悩ませるのは「コスト削減」という言葉である。1990年代後半より、ITなるものはどうも金食い虫であるという印象が、どうしてもぬぐえないらしい。
ITIL V2では、ITサービスに必要なものは「3つのP」だとされている。具体的には次の3つである。
「カネ」は資産ではなく、ITサービスマネジメントにおいてコントロールすべき対象であるということになっていた。
その、「資産」いう考え方が、ITIL V3では少し見直された。基本的な考え方は変わらないものの、資産に関してより具体的に、詳細に語られるようになった。わたしにはITIL V2に比べて分かりやすく、また納得しやすい体系に変化したように見え、好感が持てる。
では、ITIL V3において、資産はどのように変わったのだろう?
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