レディーファーストは白? それとも黒?――運用のグレーゾーンって難しい悲しき女子ヘルプデスク物語(1/3 ページ)

女性が訪ねてきたら、ドアを開けてあげる。男性諸氏にとっては当たり前ともいえる「レディーファースト」だけど、システム運用のルールに照らすと問題がある場合もある。そんな運用のグレーゾーンの判断って、ホントウに難しいのよね……。

» 2008年11月13日 08時30分 公開
[鐙貴絵,ITmedia]

デジタルな認証、アナログな認証

 わたしが勤務しているオフィスでは、セキュリティのため、夕方の18時30分を過ぎるとオモテ玄関が閉まってしまう。だから、外部から帰社してきた社員も、仕事を終え帰宅する社員も、裏口を利用することになる。社外に出るのはカンタンだけど、裏口から社内に入るのは「ちょっとだけ」面倒だ。ICカード化された社員証を裏口に設置されている読み取り装置にかざさなきゃいけないから。

 当然だけど、もし社員証を社内に置いたまま外出してしまったら、オフィスに戻るのは「かなり」面倒なコトになる。なぜなら裏口にあるインターホンを押して警備員さんを呼び出し、所属部署や氏名、社員番号などを伝える。警備員さんは手元にある社員リストと照合して、社員であることが証明されたら(つまり正しい情報を伝えたら)ドアの鍵を開けてくれる。インターホンにはカメラがついていて、警備員さんがチェックするリストには社員の顔写真も載っている。バイオメトリクス認証の1つである「顔認識」を、ヒジョーにアナログな方法でやっているというわけ。

 そういえば、バイオメトリクス認証の1種である「指紋認証」は、ずいぶんとリーズナブルになったなあ、と感じる。最近のノートPCには最初から指紋読み取り装置が搭載されているし、USBで接続するリーダーも、以前に比べるとずいぶん安くなったから。

 別の会社に勤めているわたしの友人(♂)は、趣味でダイビングをやっている。カレの会社では、PCにログオンする際、パスワードではなく指紋認証で本人確認を行うようになっているとのこと。でもカレだけは、特別扱いでパスワード認証にしてもらっているんだって。

 どうして? と聞いてみた。すると「ダイビングをした翌日は、決まって指紋を読み取ってくれない。指がふやけているのか細かい怪我をしているのか、そのたびにすべての指の指紋を取り直さないといけなくなる」んだって。

 指紋の再登録はけっこう面倒な手続きらしく、本人も人事も嫌気がさしてしまったそう。そこでカレだけ特別に、パスワードでの認証を許されているというわけ。

 まあ、人事がちゃんと把握しているならば、それはそれでいいのかもしれない。不正なログオンが発生したり、情報が漏えいしたりした場合は、おのずから怪しいのはカレだ、ということになるから(笑)。

 ウチの生体認証(警備員さんによる顔認証)はとってもアナログだから、カレの会社のような特別対応は必要ないよね、なんてことをぼけっと考えていたある日のこと……。

イラスト:本橋ゆうこ イラスト:本橋ゆうこ
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