大人はiPhone、子供は禁止? 日本の携帯電話事情オルタナブログ通信(2/4 ページ)

» 2008年12月26日 17時55分 公開
[森川拓男,ITmedia]

ビジネスブログは信用されるのか?

 加藤恭子氏「きょこ コーリング」のブログの実態に関する調査結果でも取り上げられているように、総務省ではブログについての調査を定期的に行っている。

 ブログに関するニュースでユニークだったのは、佐々木康彦氏「平凡でもフルーツでもなく、、、」の秋田県の県庁職員187人がブロガーに!だ。いわばビジネスブログの行政版で、県庁職員がブロガーになることが県民にどういう影響を与え、どういった意味を持つのか、これからの動きに注目したい。

 ビジネスブログに関しては、興味深い指摘があった。ITmedia海外速報部・澤由紀子氏「海外速報部ログ」の企業ブログは信用されていないと、林雅之氏「『ビジネス2.0』の視点」のビジネス・ブログの信用度で取り上げられた、企業ブログが、PRツールと思われてしまった途端に、ブログとしての魅力を失って、信用されなくなってしまうというのだ。つまり、個人が個人の立場で書いているようでも、実際は会社に書かされていると思われてしまうこともあるのだ。ビジネスブログで中身が信用されないというのは、イコール企業の不信にもつながりかねないので、注意が必要かもしれない。

 ビジネスブログについては、大木豊成氏「走れ!プロジェクトマネージャー!」のビジネスブログの定義で考察されているので、ぜひ読んでほしい。

 また、山口陽平氏「一般システムエンジニアの刻苦勉励」のジャンプの打ち切りシステムからブログ術を学ぶというエントリーも気になった。企業ブログに限らないが、ブロガーとしていろいろ参考になるような気がする。

「Google Chrome」正式版リリース

 一時、話題となったGoogleの無料ブラウザChromeが、12月11日、ついに正式版としてリリースされた。

 過去に取り上げたように、プライバシーなど何かと騒がれたChromeだが、岩永慎一氏「THE SHOW MUST GO ON」のGoogle Chromeのβが取れたや、佐藤比呂志氏「隠れた財産」の「Google Chrome」の製品版を正式リリースは、好意的に取り上げている。

 Google Chromeの今後の動向と、IE、Firefoxなど対抗ブラウザの動きにも注目したい。

クラウドとリスク

 2008年のIT業界の流行語としては、「クラウド」系が挙がるだろう。

 関孝則氏「クラウド的な世界へ」のクラウドは経済危機でも強い??は、世界的な経済危機の中でもクラウド市場は高くなるだろう、という話題を取り上げている。実際どうなるのかはまだ分からないが、不況だからこそクラウド、という動きもあるのかもしれない。

 しかし、クラウドとて万全ではない。加藤和幸氏「てくてくテクネコ」のSaaSの破綻リスクについて考えるでは、クラウドの一種であるSaaSのリスクについて考察している。実際、先日もデータセンターの障害で、複数のWebサービスが停止するという事態が起きた。クラウドを利用している場合、サービスが停止すれば業務に支障が生じる可能性があるのだ。企業がクラウド化に取り組む場合は、こういったリスクに関しても考えておく必要がある。

 しかし、今後あらゆるところでクラウドが進み、当たり前と化していくのは、奥野栄倫氏「情報システムの在り方を考える」のITはSaaSによってコモディティ化する?で指摘されるとおりかもしれない、とも思う。

 2009年。クラウドは進むのか、それとも形骸化するのか。

ネットサービスは無料? 有料?

 インターネットでは、あらゆる情報を無料で得ることができる――こういった考えが、そろそろ破たんしつつあるようだ。それが表に出たのは、基本サービス無料のSNS「カフェスタ」が、ユーザーに「サービス維持のためにお金払って」と呼び掛けたことだ。

 佐々木康彦氏「平凡でもフルーツでもなく、、、」のカフェスタ事例から考える「特集だから割高だよ!」って考え方自体がそもそもヤバイのではは雑誌の話にも触れており、納得するところが多々あった。年末年始に出る雑誌は分厚くなって「特別定価」が付いているものが多いが、雑誌によっては割高の「特別定価」がしばらく続いて、気付いたら「定価」にスライドしてしまうものもある。また、価格が戻っても、厚さが半減したという例もある。

 話をインターネットに戻すと、ネット情報=無料と思いがちだが、それが間違いであることを岩永慎一氏「THE SHOW MUST GO ON」の提供するものの価値観の議論が欠落してないかが指摘している。本来はネット情報も、価値をきちんと評価して、対価が払われるべきなのだ。それが広告収入で賄われれば、ユーザーに無料で提供できるというだけだ。

 しかし、インターネット業界もなかなか難しい。前野智純氏「キラーウェブがキラーカンパニーを創る」の情報の深掘りで紹介されたように、提供する情報が中途半端であれば、ユーザーが増えないし、広告収入も期待できない。つまり、ビジネスが成立しなくなってしまう。逆に言えば、ここから新しい「何か」ができそうな予感もする。

 またネットサービスでは、工藤拓也氏「一人シリコンバレー男」の出前館の「ネット受付時間外」の意味を考えるで紹介された話題も気にかかった。このケースは、コメントにあるように、別にリアルタイムである必要性が無いようにも感じるが、佐々木康彦氏のネットでの書籍販売はAmazonとGoogleが総取りしちゃうのか?にあるように、Amazonなどの24時間対応サービスに慣れてしまうと、不便に感じるのかもしれない。

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