日本ビクター、プロ用映像機器事業でグローバルブランドを導入新製品も発表

日本ビクターは、業務用映像機器事業にグローバルブランドの「JVC」を採用。同市場でのシェア拡大を狙う。

» 2009年01月09日 09時30分 公開
[ITmedia]

 2008年10月にケンウッドと経営統合した日本ビクターは1月8日、業務用製品の商品ブランドにグローバルブランドの「JVC」を採用すると発表した。併せてビデオカメラレコーダーの新製品「GY-HM100」を発表し、同市場でのシェア拡大を狙う。

 同社は、商品ブランドとして国内向けには「Victor」、海外ではJVC(Japan Victor Companyの略称)を採用してきた。業務用映像機器事業は1929年から続く同社の主力事業の1つだが、ブランド統一で販売力やマーケティング力の強化を図るほか、国内向けと海外向け製品の共通化を進めることで価格競争力を高めるという。

 会見した武倉弘幸常務は、「世界的に放送のデジタル化、ハイビジョン(HD)化が進み、高品質な映像ニーズが高まっている。ブランド力と製品力を高め、ビデオカメラ市場で世界シェア20%を狙いたい」と表明した。

 同社が参入している業務用ビデオカメラ市場の規模は、JEITA推計によると2008年度世界全体で20万台強が見込まれる。ユーザーは、放送局や映像制作会社、一般企業や官公庁、教育分野と幅広く、同社のほかにソニーやパナソニックなども参入する。

GY-HM100

 GY-HM100はレンズ一体型の業務用HDビデオカメラで、4月下旬に発売を予定し、想定参考価格は50万円以下を見込む。Appleの業務用映像編集システム「Final Cut Pro」のファイル形式に標準対応し、撮影時からFinal Cut Proを使った編集まで映像ファーマットを変換することなく、迅速に作業が行え、担当者の負荷を軽減する。

 映像ファーマットは、1280×720/50i〜1920×1080/60iにまで幅広く対応。1920×1080のプログレッシブ撮影では、欧州などのPAL規格圏向けとして毎秒25フレーム、映画向けの同24フレームにも対応する。SDHCカード2枚に連続で最大6時間の映像を記録できる。撮影画質は、35/25/19Mbpsの3モードを選択できる。

 重量は約1.4キログラムで、レンズ一体型小型業務用モデルとしは従来の半分程度になり、報道撮影などでの持ちやすさを重視した。レンズにはフジノン製の10倍オートフォーカス・光学手振れ補正式を採用している。

 プロシステム事業部の吉川圭介事業部長は、「ブランド一新で特に国内のプロユーザーへ再アプローチし、品質と生産性を求めるニーズにしっかり応えたい」と話した。

主な仕様
製品名 GY-HM100
外形・質量 幅138×高178×奥行き365ミリメートル、約1.4キログラム
撮像素子 4分の14型プログレッシブCCD×3
レンズ フジノン製F1.8、10倍ズーム:f=3.7〜37mmミリメートル、フィルター径46ミリメートル、光学手振れ補正方式
ゲイン 0/3/6/9/12/15/18dB、ALC、LoLuxモード
NDフィルター 1/10
LCDディスプレイ 2.8型、ビューファインダー:0.44型
記録メディア SDHCメモリーカード×2スロット
記録方式 MPEG-2 Long GOP、ファイルフォーマット:QuickTime for Final Cut Pro/ISO base media file format
記録モード NTSC設定:1920×1080/59.94i/29.97p/23.98p(HQモード)、1440×1080/59.94i、1280×720/59.94p/29.97p/23.98p(HQ/SPモード)、PAL設定:1920×1080/50i/25p(HQモード)、1440×1080/50i、1280×720/50p/25p(HQ/SPモード)
オーディオ PCM 2ch、48kHz/16bit(内蔵ステレオマイク/外部マイク入力)
静止画 JPEG
ビデオ出力 コンポジット出力、コンポーネント出力、HDMI出力
オーディオ入出力 入力:XLR×2(マイク、+48Vファントム電源/ライン)、出力:φ3.5mmミニジャック

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