フジテレビは、地上波放送用フルHD設備として、テープレスの送出系放送基幹システムを新たに構築、今月から運用を開始した。
フジテレビジョン(フジテレビ)は12月25日、地上波放送用フルHD設備として、ファイルベースの送出系放送基幹システムを新たに構築、今月から運用を開始した。同案件を共同で手掛けた東芝と日本SGIの発表から明らかになった。
送出系放送基幹システムは、収録した番組を最終的に放送するためのシステムで、大きく分けると右図のように幾つかのシステムが連携したマスターサーバ設備とマスターAPCで構成される。従来、番組送出システムにはテープベースで処理される部分があったが、今回テープレスのシステムを構築したことで、ワークフローの改善と業務の効率化が期待されている。ハードウェアとしては、NAND型フラッシュメモリを記録媒体として用いた東芝の放送業務用ビデオサーバ「VIDEOS」のほか、日本SGIがSIパートナーとなっている米OmneonのOmneonSpectrumメディアサーバ、Omneon MediaGridアクティブストレージ・システムなどが採用されている。
システムの構築に当たっては、すでにテープレスのシステムが数多く稼働している欧州のノウハウが多く取り込まれており、アンシラリと呼ばれる映像データのすき間領域に字幕データを入れることなども可能となった。これは国内初。
同社は今後、BS放送用とCS放送用システムについても順次導入していく予定。
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