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» 2009年03月15日 01時53分 UPDATE

ネットの逆流(14):著作権法改正案でネットの流通は変化するか (1/2)

「ダウンロード違法化」などを盛り込んだ著作権法改正案が閣議決定された。来年の施行を目指す本法案によって、何が変わるのだろうか。

[森川拓男,ITmedia]

ネットの逆流過去記事はこちらです。


 3月10日、「ダウンロード違法化」などを盛り込んだ著作権法改正案が閣議決定された。違法着うたの広がりなどに対応した規定で、罰則はないという。今国会で提出され、2010年1月1日の施行を目指すとしている。この改正案が施行されると、ネットでの情報流通の何が変わって、何が規制されるのか。そして問題などはないのだろうか。

ダウンロードは違法化されるが罰則規制ナシ

 2006年4月から2008年12月にかけて開かれてきた文化庁長官の諮問機関・文化審議会著作権分科会の「私的録音録画小委員会」。12月16日に幕を閉じた小委員会でまとめられた報告書が、1月26日に開催された著作権分科会に提出された。それを受けて文化庁が著作権法改正案をまとめ、3月10日の閣議決定へとつながった。

 しかし、3年にわたって議論してきた結果は「合意が得られず申し訳ない」といった、中山信弘主査の言葉で幕が閉じられたという。

 この中では、デジタル社会が進む中でハードディスクレコーダーやiPodなどへ課金するという提案も出ていたが、権利者側とメーカー側の合意形成はできなかった。補償金課金に関しては、MIAU(インターネット先進ユーザーの会)が3月9日、文化庁に提出した「補償金の規定を著作権法から外し、家電メーカーと権利者との契約上の取引にすべき」と提言しているパブリックコメントを公表したが、今後どのようになっていくのか注目だ。なお、Blu-ray Disc課金に関しては2008年6月に文部科学省と経済産業省が合意して、4月1日スタートに向けて文化庁が準備しているが、メーカー側の強い反対があるという。

 逆に、違法録音・録画物のダウンロードを違法化する論議に関しては、大勢が適当としたことが、今回の法改正の目玉ともなっている。

 しかし、オルタナティブブロガーの栗原潔氏は、「この法改正が本当に効果的か疑問」という。仮に違法ファイルのダウンロード違法化が実施されても、70%ものユーザーは、CDやDVDなどの購入機会が変わらないと答えたという調査結果があるのだ。

 元々、違法ファイルのダウンロードを違法化したいと考えるきっかけは、それによって不利益を被ったと考える著作権者が存在していることにある。つまり、違法ファイルのダウンロードを違法化したところで、正規品の販売が増加しなければ意味はない。タダなら入手したいが、金がかかるならいらないと思われてしまう程度のものしかリリースしていないならば、何も変わらないのだ。

 もちろん、先の調査対象が、「違法ダウンロードを行っている」層でなければ、法改正による効果を図ることは難しいが、大勢は変わらないだろう。

image 設立会見の様子

 3月6日には、JASRAC(日本音楽著作権協会)や音楽配信事業者団体などが、楽曲のネット配信に伴う著作権処理を効率化するための一般社団法人「著作権情報集中処理機構」を共同で設立すると発表した。ユーザーにとっても。クリエイターにとっても、良い方向へ進む形になればいいのだが、実際はどうなるのだろう。

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