ネットエージェントは、P2Pソフト「Perfect Dark」を利用した不正なデータ流通が増える恐れがあると警告している。
ネットエージェントは5月13日、ファイル交換が可能なP2Pソフトウェア「Perfect Dark」のゴールデンウィーク期間におけるノード数調査の結果を発表した。
同社によれば、Perfect Darkの国内ユーザー数は4月現在で約3万5000人に上るとみられる。Perfect Darkの利用方法を紹介した書籍が多数販売されるなど、利用者が増えているという。
調査は、4月26日〜5月6日までの1日あたりのノード数変化を独自開発したクローラーで調べた。ノード数は4月26日の約4万800ノードを最高に、3万5000〜4万ノードを記録した。
Perfect Darkは、WinnyやShareなどのP2Pソフトウェアとは異なる特徴があることから、同社では企業の重要情報の不正流通などに悪用される恐れがあると指摘する。
WinnyやShareでは、ノード情報やキー情報(ファイル情報)、ファイル所有者のIPアドレスなどを解析することでファイル所有者を特定できるため、不正に流通しても拡散の防止措置が可能。しかし、Perfect Darkではキー情報が所有者のノード情報に含まれないため、ファイルの所有状態を特定するのが難しい。また、通信もRSAやAESの暗号化が行われており、内容を解析するのも困難だという。
開発したクローラーでは、IPアドレスやポート番号、キーワード、クライアントのバージョン、ファイル名、ファイルサイズなどの情報を把握でき、ファイルをアップロードしたユーザーのIPアドレスも突き止められるようにした。
調査から、WinnyやShareで流通しているファイルがPerfect Darkでも広く流通している実態が分かり、WinnyやShareで入手したファイルをPerfect Darkへ意図的に拡散させているユーザーも見つかった。
同社は、WinnyやShareの最高ノード数についても大きな変化がないことから、P2Pによる情報漏えい事件が社会問題になってもユーザー数が減少していないと指摘。Perfect Darkの普及によって、P2Pによる情報漏えいのリスクがさらに高まる恐れがあると警告している。
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