インフォテリアは、iPhone向けコンテンツの作成から配信までの機能をインターネット経由で提供するサービスを始めた。
インフォテリアは6月2日、iPhone向けコンテンツの作成から配信までの機能をインターネット経由で提供する統合サービス「Handbook」を始めた。ブログ感覚で手軽にユーザーへコンテンツを提供できるのが特徴だという。
Handbookは、コンテンツ作成・配信基盤の「Handbook Studio」と、端末用の閲覧アプリケーション「Handbook アプリ」で構成される。Handbook Studioは、Webブラウザ上でテキスト編集や画像、映像データの挿入などのコンテンツ作成ができ、作成したコンテンツはインフォテリアのデータセンターから配信する。
ユーザーは、Handbook アプリ上でコンテンツ提供者から通知されたキーコードを入力すると、コンテンツを閲覧できる。ダウンロード機能も備えており、オフライン環境でも閲覧が可能。クイズ形式のコンテンツも利用できる。なお同日現在、Handbook アプリはAppStoreで配信申請中という。
Handbookを利用することで、コンテンツ提供者が専用アプリケーションを開発しなくても、ブログを作成する感覚で容易にコンテンツを作成できる。スマートソフトウェアビジネス部の穴沢悦子部長は、「ユーザーに付加価値の高い情報を提供する手段を容易で低価格に実現することを目指した」と説明した。
想定される利用シーンでは、店舗などで顧客にiPhoneを提供して詳細な商品情報を見てもらう、美術館や博物館で展示品の詳細情報を確認する、教育機関で学生向けにクイズなどを利用した自習プログラムを提供するといったものがあるという。
利用料金は、月額2万1000円からで、作成したコンテンツサイズを基準に500Mバイト単位で課金する。年間利用の場合は21万円からとなっている。2011年に2億円の売り上げを見込む。
平野洋一郎社長は、「iPhoneなどのスマートフォンは世界的なオープンプラットフォームを採用しており、今回のサービスをわれわれが世界市場へチャレンジするきっかけにしたい」と話した。今後は英語版および中国語版の提供も予定し、iPhone以外ではBlackBerryとAndroidでの動作検証も進めている。提供時期は「市場動向をみて判断したい」(穴沢氏)という。
ユーザー事例として、札幌医科大学の三谷正信准教授がiPod touchを利用したeラーニングの様子を紹介した。
三谷氏によれば、同校では学生が入学前に抱いていた医療職務に対するイメージと入学後の授業内容でのギャップから、自主退学をしてしまうケースがあった。「例えば、本来は高校時代に専攻すべき科目が十分ではなく、入学後に苦労する場合も見受けられた」(同氏)。そこで授業の映像をiPodへ配信するプロジェクトを立ち上げ、高校生に閲覧して理解を深めてもらうことで、ミスマッチをなくすことを目指したという。
過去2年間に約220人の高校生が利用し、利用した学生のうち11人が同校へ入学するなどの効果が得られた。しかし、映像をストリーミングで提供していたため、オフライン環境で利用できないなどの課題も明らかになった。
三谷氏は、「今後は携帯電話回線を利用して自宅でも受講できるようになるため、携帯電話の活用を推進していきたい」と話している。
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