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システム障害個所の特定には「監視」と「分析」が重要JP1 V9 Review

今回解説するJP1 V9の強化ポイントは、「アベイラビリティ管理におけるサーバ稼働情報のサマリ監視」と「リポート分析機能」である。

» 2009年08月11日 08時00分 公開
[友成文隆(日立製作所),ITmedia]

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サーバ稼働情報のサマリ監視

 JP1 V9では、システム全体のサーバやエージェントの稼働状況やエージェントのアラーム監視状況などを、部署やシステムなどの監視フォルダごとにビジュアルに表示するサマリ監視を新たに追加した。システム全体の稼働状況を直観的に監視できるため、サーバ稼働監視の基本画面として利用できる。サマリ監視を使用するためには初期設定は不要であり、JP1のアベイラビリティ管理を導入すれば、直ちに利用できる。

システム情報サマリ監視画面 システム情報サマリ監視画面

 上の画面の、左側ツリーから該当フォルダを選択すると、結果が右のプレーンにグラフィカルに表示されるため、管理単位ごとの傾向を把握できる。また右下のプレーンには、選択したフォルダに含まれるエージェントで発生したイベント情報が、絞り込まれた状態で表示されるため、異常発生時の問題個所の特定に利用できる。

レポート分析機能の強化

 JP1 V9では、新たに履歴レポートのタイリング表示を追加した。さらにレポート表示画面での直接定義編集も可能になった。タイリング表示を含め、以下の表にレポーティング形式を示す。

種類 概要
リアルタイムレポート 監視対象の現在の状況を示すレポート
履歴レポート 監視対象の過去から現在までの状況を示すレポート
通常レポート 標準的な、横棒グラフ/円グラフ/折れ線グラフなどの単品レポート
複合レポート 複数の履歴レポートを、1つのグラフに表示したレポート
タイリング表示(新たに追加) 複数の履歴レポートのサムネイル表示

履歴レポートの「タイリング表示」

 タイリング表示では、その名の通りブックマークに登録された複数の履歴レポートを並べて表示し、全体をひと目で見渡せる。なお表示に当たっては、レポートを表示する列数や表示する順番を、カスタマイズできる。

履歴レポートのタイリング表示例 履歴レポートのタイリング表示例

レポート表示画面での定義編集

 従来のJP1では、レポートの定義と表示は明確に分離されていたため、レポートを修正するために定義画面で変更した後に、レポートを表示して確認、さらに修正があれば定義画面に戻るという手順を踏む必要があった。今回のバージョンでは、レポートを表示した状態で、設定内容の変更/保存と、その場でのレポート確認ができるようになった。

レポート表示画面での定義編集 レポート表示画面での定義編集

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