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» 2009年12月04日 08時30分 UPDATE

勝ち残る企業のWebプロモーション:「祭り力」――鍛えていますか (1/2)

口コミを利用する「バイラルマーケティング」が注目されている。ソネットエンタテインメントも光ファイバーサービスの認知度を上げるために「hotaru-san プロジェクト」を開始した。だが仕組みをつくっただけでは成功しないという。

[怒賀新也,ITmedia]

 「日本人は本能的にお祭りが好き。祭りの要素をいかに表現するかを考えた」

 広告代理店マッキャン・エリクソンのクリエイティブ・プランナー、西尾真人氏は話す。西尾氏はソネットエンタテインメントが自社の光ファイバーサービスのブランディング施策の1つとして始めた口コミマーケティング「hotaru-san プロジェクト」を考え出した。

sonet1akiba.jpg hotaru-sanのパフォーマーが秋葉原を訪れた

 hotaru-sanプロジェクトの目的は「光(光ファイバー)を通じてユーザーにエンタテインメントを提供すること」。ソネットの光ファイバーサービスの認知度を長期的な視点で高めるのが狙いだ。全身を黒タイツで包み、腰に光を付けたパフォーマンス集団「hotaru-san」が、池袋、秋葉原、新宿、銀座、渋谷といった繁華街を歩き、人々と交流した。

sonetnishio.jpg マッキャン・エリクソンのクリエイティブ・プランナー、西尾真人氏

 10月から11月にかけて、各地で撮影を実施した。街を歩く人の多くは、不思議そうに眺めながらも「ホタルだ」などと呼び掛けながら、携帯電話のカメラでhotaru-sanの様子を写真に収めた。ソネットの狙いは、その写真をブログにアップしてもらい、hotaru-sanの知名度を広げることにある。

 これは、一般消費者の口コミを利用するいわゆる「バイラルマーケティング」の取り組みだ。「コマーシャルやポスターをつくってテレビなどのマス媒体に流すという広告モデルが崩れている」(西尾氏)という。インターネットの普及により、人々が接触するメディアはブログやSNS、動画サイト、CS放送、ゲームなど多岐にわたる「多チャンネル化」が進んでいる。そんな中で、企業が取り組むべき新たな広告施策としてバイラルマーケティングが注目を集めている。

 企画をリードしたソネットエンタテインメントの宣伝担当、中里貴之氏は「口コミを集める仕掛けだけでは成功しない」と指摘する。特に日本では「完成度の高さよりも、直感的に面白いと思えるものが支持される傾向がある」という。

nakazato.jpg ソネットエンタテインメントの宣伝担当、中里貴之氏

 ソネットのこうした要望を具現化するにあたり、西尾氏が重視した概念が「祭り」である。祭りには本質的な力があるという仮説を立てた。

 「日本人は春になれば花見、夏は花火を楽しみ、お盆には帰省する。どれも毎年変化はないが、季節が来れば恋しくなるイベントだ。人間の本質がそこに隠れている」(同氏)

 その本質を表現してみると、祭りというひと言にたどり着いた。「日本人は祭りの要素があるものについて行く」――それが西尾氏の確信だ。光ファイバーサービスを売り込みたいソネットの意向を「光」の概念で取り込んだ上で、多数の人々を巻き込む仕掛けを考えたときに、ホタルが浮かんだ。

 はかない線香花火をも思わせるホタルの光は、祭り好きという日本人の潜在的な欲求と広告クライアントとしてのソネットの意向を両立させた。

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