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» 2009年12月10日 16時00分 UPDATE

インターネット進化論2009:「今年は空気清浄機」――未来が分かるカカクコムの新データサービス

2009年も終わろうとしているが、今年もインターネットを活用したさまざまな製品やサービスが登場した。2010年を見据え、注目すべきものを紹介したい。

[怒賀新也,ITmedia]

 「今年のボーナス商戦は空気清浄機が来る」

 こう言い切るのは価格比較サイト「価格.com」を運営するカカクコムのインターネットマーケティング部長、大堂氏だ。

 大堂氏の自信は、明確なデータに裏打ちされている。価格比較サイトとして月間2000万人という大規模なユーザーを抱えるカカクコムは、他社は手掛けるのが難しい企業向けのデータサービスをこの11月に開始した。

 サービス名は「価格.com Trend Search Enterprise版」。価格.comを訪れたユーザーのアクセスを解析し、小売業など最適な品ぞろえの実施や新商品の開発などをしたい企業にデータを提供するという企業向けサービスだ。

 通常、各メーカーが自社製品へのユーザーの関心度などを調べる際には、自社サイトのアクセス解析をする。だが、それでは競合他社の商品についてはほとんどデータが取れない。そのため、市場にいるユーザーが実際に何を考えているのか、正確に把握するのは実際には難しい。新サービスはその課題に解決策を提示する。

 Trend Search Enterprise版の利用企業は、製品(型番)にひもづく各商品群別のページビュー(PV)数、最安および平均価格、口コミテキストマイニングデータなどを閲覧できる。さらに、ショップ訪問率、取扱店舗数など流通状況も含めた30種類以上のマーケティングデータを閲覧できる。こうしたデータを駆使することで、消費者が興味を持つ商品の傾向を事前に把握できるという。

 例えば、「今年の冬のボーナス商戦で主役になる商品」というテーマでデータを拾ってみると、2008年よりも大幅にページビューが増えている商品が見つかった。空気清浄機だ。写真のように、シャープ、パナソニック、ダイキンなどのメーカー別に並んだPV数を年別に比較してみると一目瞭然。シャープをみると、2008年の10月13日週のPVは4万5000だったのに対し、2009年10月12日週は32万と大幅に増えている。

kuukiseijouki.jpg 空気清浄機ページへのメーカー別アクセス数について、2008年と2009年を比較した

 なぜ、ここまで大幅に増えたのか。原因を調べるために、閲覧の際に一緒に語られているユーザーの口コミに目を向けてみる。すると「プラズマクラスター」というキーワードが見つかった。プラズマクラスターはシャープが空気清浄機に搭載する新技術で、ウイルスを除去する機能を持つ。パナソニックの空気清浄機搭載されている同様の機能「ナノイー」の検索数も多いことから、近い将来を語る上で1つの仮説が成り立つという。

 「2009年冬、消費者はウイルス対策のために空気清浄機を購入しようとしている」

 ウイルス対策と2009年の出来事を最も結びつけるものとして浮かぶのは「新型インフルエンザ」。新型インフルエンザを恐れる消費者がボーナスで空気清浄機を買う――。大雑把なシナリオが描けた。

 さらに、Trend Search Enterpriseは、サイトに来た消費者が、実際に商品を購入するために価格.comのショップを本当に訪問しているのかというデータも取れる。

 このほかにも、必要とするデータをユーザーが自由に定義し、活用できる仕掛けが詰まっている。データを参照し、例えば家電小売店の店長などが品ぞろえの参考にすることもある。例えば、商品開発の担当者は、ユーザーが実際に考えていることを明確化した上で、開発を担当できるという。

 市場全体を巻き込んだマーケティングデータを、自由かつリアルタイムに参照できるようになった。また、ログデータを機械的に参照するため「作為性も排除できる」(大堂氏)という。情報戦になる今後の企業マーケティングにおいては、こうした新たなインターネットサービスの活用が企業業績の行方を左右するかもしれない。

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