コラム
» 2010年02月12日 07時49分 UPDATE

Googleの超高速ブロードバンド実験 その意図は?

Googleは、同社の超高速ブロードバンド構築プロジェクトはネットワーク中立性原則に準拠したものであり、ブロードバンド市場での健全な競争を促進するものと位置付けている。

[Roy Mark,eWEEK]
eWEEK

 米Googleは2月10日、1Gbpsの超高速ブロードバンドネットワークを米国内の限定地域で実験的に構築する計画を発表した。このFTTHネットワークは5万〜50万人の人口をカバーするという。

 Googleによると、このネットワークはネットワーク中立性原則に準拠したものになるという。同原則は、Googleが米連邦通信委員会(FCC)に対し、全米ブロードバンド計画の一環として採用するよう求めてきたもの。FCCは3月、同計画を議会に提出する。さらにGoogleによると、同社が計画中のネットワークは、ユーザーがISPなどを選択できるホールセール方式でのアクセスを可能にし、現在ブロードバンドビジネスを支配している電話業界やCATV業界に対して小規模ISVが競争できるようにするとしている。

 Googleのワシントンオフィスで通信・メディア担当顧問を務めるリチャード・ホイット氏は「コンシューマー、小規模企業、非営利組織、地方自治体などが、超高速インターネットアクセスをどのように活用するのか楽しみだ」とブログに書いている。

 「ダイヤルアップからブロードバンドへの移行が、ネットを利用したVoIPや動画配信など無数のアプリケーションの出現を促したのと同様、超高速ブロードバンドは数多くの技術革新をもたらすだろう。高解像度ビデオの配信、リモートデータストレージ、遠隔教育、リアルタイム・マルチメディア型コラボレーションなど、これまで想像もつかなかったようなイノベーションが期待される」と同氏は記している。

 ホイット氏によると、Googleでは関心がある自治体に対して情報提供依頼書(RFI)の提出を求めている。このRFIを参考にしてネットワーク敷設地域を決定するという。同社は民間企業にもアイデアを募集している。

 「今回の実験が、米国全域で超高速インターネットアクセスを実現する特効薬になることはないだろうが、当社の技術者たちはこのプロジェクトで重要な教訓を得たいと考えている」とホイット氏は記している。「開発者やコンシューマーが1Gbpsのブロードバンド速度を利用して、どんなことを実現できるのか早く見てみたい」

 FCCのジュリアス・ゲナコウスキー会長は、Googleの取り組みを評価する声明を発表した――「高速ブロードバンドは大きな可能性を創出する。この重要なプロジェクトは、次世代の革新的な高速インターネットアプリ、デバイス、サービスの試験台となるだろう」

 公共政策推進派の人々の間からも、Googleのプロジェクトへの称賛の声が広がっている。

 ネットの中立性を支持する団体Open Internet Coalitionの執行ディレクター、マーカム・エリクソン氏は「超高速でオープンなブロードバンドは、次世代のインターネットサービスとアプリを実現するエキサイティングな新プラットフォームを提供するだけでなく、瀕死(ひんし)の状態にあるISP市場に新たな活力を吹き込むものと期待される」と述べている。

 さらにエリクソン氏は次のように付け加える――「このプロジェクトが、オープンモデルを恐れるのではなく、それを見習うべきであるということを、ほかのネットワーク事業者に示す先例になることを期待している。利益とオープン性は相反するものだとみられているが、われわれは両者が相乗的な関係にあると考えている」

 権利擁護団体Public Knowledge共同創業者のギギ・B・ソーン会長は、Googleのプロジェクトについて「民間部門によるこういった前向きの投資は、インターネット技術の発展に拍車を掛けるとともに、米国の経済に貢献し、コンシューマーに真の次世代ネットワークの体験を提供するものとなるだろう」と評している。

 業界団体Computer & Communications Industry Association(CCIA)のエド・ブラックCEOによると、米国はブロードバンド拡大の方法をめぐって行き詰まっているが、Googleがラストワンマイル(最後の1マイル)市場に参入したのは朗報だという。「従来のプロバイダーだけでなく、真に革新的な企業による実験的な取り組みと新たな考え方は長い間待ち望まれていたものであり、大歓迎だ」とブラック氏は語る。

 「この新しいインターネット技術がネットワークの中立性とオープンなアクセスという原則に基づいて運用されるというのは、素晴らしい可能性を切り開くものだ。これは、より多くの人々がインターネットを利用できるようにするための投資が、自由とオープン性というインターネットの歴史的原則からの逸脱を求めるものではないことを示すものだ。またブロードバンドインフラへの継続的投資は、オープンアクセスと中立性という原則の放棄を求めるものではない。これらの原則が、コンテンツがその価値によって競争することを可能にし、新しいアプリケーションとイノベーションを促進してきたのだ」(同氏)

企業向け情報を集約した「ITmedia エンタープライズ」も併せてチェック

原文へのリンク

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

Loading

ピックアップコンテンツ

- PR -

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -