EMC、重複除外バックアップ製品の機能連携を開始――Avamarの新版を発売

EMCはデータの重複除外バックアップ製品「Avamar」の最新版を発表した。Avamarから「Data Domain」の機能を利用できるようになった。

» 2011年05月30日 14時46分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 EMCジャパンは5月30日、大規模環境向け重複除外バックアップ製品の最新版ソフト「EMC Avamar 6.0」および、最新版アプライアンスの「Avamar Data Store Gen4」を発表した。データベース向けの重複除外バックアップ製品「EMC Data Domain」との連携が可能になった。

 同社はこれまで、NASやクライアントマシンなどの環境向けにはAvamar、データベースやMicrosoft Exchange、SharePointなどの環境向けにはData Domainの2種類の重複除外バックアップ製品を展開してきた。

 Avamar 6.0では、新たにAvamarの管理コンソールからData Domainの機能を利用できるようにし、バックアップの運用を一元化できる。た。ユーザーが対象とするマシンやデータを事前に指定する必要があるが、Avamarからバックアップ処理でのパフォーマンスを向上させるData Domainの「DD Boost」の機能を利用して、構造化データのバックアップ作業を効率的に行える。

AvamarとData Domainの統合イメージ。今後は重複除外技術などの統合も進めるという

 VMware環境への対応も強化された。前バージョンではVMware Changed Block Trackingの機能を利用して変更データだけをバックアップする機能を提供していたが、最新版ではリストアにも対応する。これにより、差分データだけをリストアできるようになり、リストア時間を大幅に短縮できるとしている。

 Avamar Data Store Gen4ではストレージ容量のラインアップが拡充され、1.3/2.6/3.9/7.8テラバイトの4モデルをそろえる(従来は3.3テラバイトのみ)。同製品は最大18ノード構成によるスケールアウト運用に対応しているが、「もっと容量を増やしたい」とのユーザーニーズに応えたものであるという。

 新製品はいずれも同日からEMCジャパンおよび同社パートナー経由で提供される。製品価格はAvamar Data Store Gen4の最小構成の場合で462万円など。

Avamar Data Store Gen4のラインアップ

「テープからディスクに」を加速させる

 新製品発表と併せて同社は、バックアップ製品市場における事業方針などを紹介した。

 米EMC バックアップ・リカバリ・システム部門ビジネス開発担当シニアディレクターのロッド・マシュー氏は、「当社の重複除外バックアップ製品が、テープバックアップからディスクバックアップへの流れを一段と加速させている」と語った。ソフトウェアとハードウェアの両面でバックアップ製品を展開し、オープンシステムやメインフレーム向けで高いシェアを持つこと、また、テープや仮想テープライブラリ(VTL)、ディスクまで広範な環境をサポートしている点が同業他社にはない優位性だと強調する。

 また、EMCジャパン BRS事業本部長の河野通明氏は、国内のユーザー調査を引用して、ディスクバックアップや重複除外の導入を検討している企業が非常に多いとコメント。2010年の重複除外製品の市場規模は33億1900万円(テクノ・システム・リサーチ調べ)で、EMCが82.5%のシェアであることを紹介した。「この結果はAvamarとData Domainによるところが大きい。トップシェアとはいえ、市場はこれから成長していく分野なのでユーザーの期待に応えられるよう努めていきたい」と述べている。

テープからディスクへの移行を促すキャンペーンもスタート。「ジュラシックテープ」や「バックアップ・トゥ・ザ・フューチャー」といった何となくハリウッドのタイトルを思わせるメッセージも発信していく

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ