ニュース
» 2011年06月15日 17時58分 UPDATE

未知の脅威を捉えるアンチウイルス製品を大企業に、キヤノンITSとESETが戦略発表

キヤノンITソリューションズとスロヴァキアのセキュリティ企業ESETは、中堅・大規模の法人顧客の獲得を目標とする販売戦略と製品ロードマップを明らかにした。

[國谷武史,ITmedia]

 キヤノンITソリューションズ(CITS)とセキュリティ企業のESETは6月15日、従業員100人以上の中堅および大規模法人を対象とする販売戦略と製品ロードマップを発表した。PC・スマートフォン向けのセキュリティソフトや、大規模環境に対応した統合管理ツールなどを投入する。

 ESETは1992年にスロヴァキアで創業したアンチウイルスソフトメーカー。現在は180カ国で製品を販売し、約1億のユーザーを持つ。CITSは、2002年にESETと国内総販売代理店契約を締結し、ウイルス検出率の高さや軽快な動作が特徴という「NOD32アンチウイルス」や「ESET Smart Security」などの販売・サポートを行っている。

citseset01.jpg キヤノンITソリューションズの近藤伸也氏

 CITS セキュリティソリューション事業部長の近藤伸也氏は、「当社は国内のアンチウイルス市場では後発の存在。しかし、未知のウイルスを検出することで定評のある“ヒューリスティック”を、ESETは長年にわたって手掛けており、信頼性や使いやすさなどの点でユーザーからの評価を獲得できた」と述べた。これまでCITSでのESET製品の販売は、コンシューマーや中小企業向けが中心だったが、近年は順調に市場でのシェアを高めつつあるとして、中堅や大規模の法人向けにも事業を強化していくという。

 来日したESET 最高技術責任者のパベル・ルカ氏は、世界中のユーザーから1日当たり30万種もの未知の脅威が報告あるとし、「当社では1993年にヒューリスティックを開発したが、2000年には定義ファイルだけでは増加し続ける脅威の検出が難しくなると考え、未知の脅威を見逃さない検出技術の開発に注力してきた」と語った。

 ヒューリスティック検出は、不正プログラムにみられる特徴から、不審なプログラムやファイルを多角的に解析することで、不正なものであるかを判断する。これを採用しているアンチウイルス製品も多いが、ルカ氏によれば、ESETではPCのパフォーマンスに与える影響を最小限度に抑えながら、誤検出がないよう高い精度の実現することを目標に開発しているという。

citseset02.jpg ESET CTOのパベル・ルカ氏

 ルカ氏は、2013年までの「NOD32アンチウイルス」「ESET Smart Security」のWindowsおよびMac版と、Android OS向け製品「ESET Mobile Security」のロードマップも明らかにした。

 まず「NOD32アンチウイルス」「ESET Smart Security」のWindows版のでは、2011年第3四半期にバージョン5(現行はバージョン4)をリリースする計画。新たに、レピュテーションベースの検出機能やホスト型の不正侵入防御(HIPS)機能、ペアレンタルコントールなどを実装する。さらに、2012年第2四半期に予定するバージョンアップでは既存機能の強化に加え、Webフィルタリングやリムーバブルメディア管理、定義ファイルのロールバック機能などの追加や、モジュール単位でのインストール、MicrosoftのNetwork保護機能などにも対応を予定する。

citseset03.jpg 1秒間にスキャン可能なデータサイズ(MB)をバージョン3〜5での比較したグラフ。同じサイズのデータならバージョン5が最速となる

 また、Mac版の提供は2012年第2四半期を予定。レピュテーションベースの検出機能やWebフィルタリング、リムーバブルメディア管理、パーソナルファイアウォール、アンチスパム、HTTPおよびPOP3のスキャン機能を搭載するという。

 ESET Mobile Securityは、ヒューリスティックと定義ファイルを用いたアンチウイルス、アンチスパム、盗難・紛失対策、不正通話の防止、セキュリティレベルの評価といった機能を持つ。現在はβ版がAndroid Marketを公開中だが、まずコンシューマー向けの正規版を2011年第3四半期にリリースする。集中管理などにも対応した法人向け仕様の「Business Edition」を、2012年第1四半期に投入する計画だ。

 法人向けの管理ツールは、現在2世代目に当たる製品を開発中で、ルカ氏によれば、エンドポイントを10万台規模で運用している環境に対応できるものになるという。また、VMwareおよびCitrix Systemsを提携して仮想化環境への対応を進めているほか、情報漏えい対策のDLP機能の実装も検討している。

 CITSは、1月に「ESETセキュリティパートナープログラム」を立ち上げており、国内販売パートナーの拡大を進めている。また、協業やキッティングモデルの販売などのソリューション内容も強化する。ESET営業部長の崎山秀文氏は、「当社は開発面でもESETと深い関係を構築している。メーカーとSIerが一体となってソリューションを提供できる点に強みがある」と語った。

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading

ピックアップコンテンツ

- PR -

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -