仮想化とクラウドのための検証環境を提供 日本HPとヴイエムウェア

HPのブレードサーバと3PARのストレージ、VMwareのvSphereの構成による検証環境を日本HPの本社に開設した。

» 2011年08月04日 19時49分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 日本ヒューレット・パッカード(HP)とヴイエムウェアは8月4日、HPのブレードサーバと3PARのストレージ、VMwareのvSphereの構成による検証環境施設「Cloud検証センター」を日本HP本社に開設した。仮想化やクラウド化に伴うアプリケーションなどの動作状況を確認できる。

 2社ではこのほど、仮想化基盤の推奨構成として、マルチテナント対応ストレージシステム「HP 3PAR Utility Storage」とブレードサーバ「HP BladeSystem c-Class」、ヴイエムウェアの「VMware vSphere 5」を組み合わせた「HP 3cV」ソリューションを開発した。この構成を日本HP本社1階のデモ施設内に構築。日本HPでは年間100件の利用を見込んでいる。

日本HP本社に構築された「HP 3cV」による検証環境

 日本HP 執行役員 エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括の杉原博茂氏は、サーバの高性能化や企業で取り扱われるデータ量の増加といったペースに対して、ストレージの利用効率が高まっていないという問題を指摘する。その結果として、「企業が仮想化やクラウドの導入で期待するコスト削減や運用の効率化といったメリットを得られていない」と述べた。

 杉原氏によれば、こうした問題を解決する方法として「HP 3cV」を開発した。その中核となるのが、米HPが2010年に買収した3PARの技術であるといい、vSphere 5を活用することで、3PARが特徴とする柔軟性の高いストレージボリュームの展開や管理、データのコピーや移動の安定度の高さといったメリットを引き出せるとした。

 vSphere 5は9月末までにリリースされる予定だが、ヴイエムウェアの三木泰雄社長は、HP 3cVの提供に向けてHP製品との連携開発をいち早く進めたという。vSphere 5では大規模システムへの対応が強化されたほか、ストレージ連携機能として、仮想マシンの最適な配置を可能にするStorage DRS機能や、ストレージの利用効率を高めるためのvStorage API for Array Integration(VAAI)の機能の強化が図られている。また、災害対策の強化を支援するとして仮想マシンのバックアップサイトへのレプリケーションを効率化する「vCenter Site Recovery Manager 5」も提供する。

 日本HPの杉原氏は、「HP 3cVはHPが考える最適の仮想化システム。導入コストを最大90%、TCOを最大50%削減し、導入から展開までの時間も数分程度に大幅短縮できる」としている。

HP 3cをベースにしたアプライアンスも近日リリースする予定

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