NEC、クラウド型ソフト開発環境に「プログラマブルフロー」を導入

開発環境の迅速な構築・展開や作業負荷の軽減といったメリットを実現したという。

» 2011年11月28日 16時33分 公開
[ITmedia]

 NECは、同社のクラウド型共通ソフトウェア開発環境「ソフトウェアファクトリ」にネットワーク制御技術のOpenFlowに対応したネットワーク製品「UNIVERGE PFシリーズ」を導入したことを発表した。開発環境の迅速な構築・展開や作業負荷の軽減といったメリットを実現したという。

 ソフトウェアファクトリではサーバや開発ツール、ソフトウェア資産、テンプレートなどを集中管理し、ソフトウェア開発の標準化、自動化を推進しており、東日本と西日本の2つのデータセンターに開発環境を分散させ、それぞれのデータセンターで仮想サーバを作成し、相互にバックアップを取る体制になっている。

 OpenFlowは、ネットワークの経路制御などを行う機能をコントローラに集約させることで、物理スイッチに依存しない柔軟なネットワーク構成を実現する技術。同社では経路制御を行う「プログラマブルコントローラ」と転送制御を行う「プログラマブルフロースイッチ」で構成される「プログラマブルフロー」をUNIVERGE PFシリーズなどに採用している。

 今回の取り組みで同社は以下の成果を得られたとしている。

  1. 仮想サーバを一方のデータセンターで起動させるだけで、プログラマブルフローコントローラが自動的に最適な経路設定を行う。利用者に意識させることなく、仮想サーバを迅速に最適な場所で稼働させることできるようになり、開発環境を短時間で提供できるようになった
  2. データセンターのリソースが逼迫(ひっぱく)した時やメンテナンス時、万が一の大規模災害などにより被災した場合でも、仮想サーバをもう一方のデータセンターで、容易かつ短時間で稼働できるため、負荷分散や時間的な制約に捉われないメンテナンス、さらには、効率的で無駄のないディザスタリカバリ(災害復旧)システムを構築
  3. プログラマブルフローのネットワークを可視化できるという特徴から、通信状況をグラフィカルユーザーインタフェースで表示させ、東日本および西日本のデータセンターでのソフトウェアファクトリの一元管理を実現。設定変更やポリシー変更にも容易に対応でき、運用負荷を大幅に軽減できた
  4. プログラマブルフローの導入に際し、データセンターのネットワーク機器を一度に全て置き換えるのではなく、既存のネットワーク機器と併用しながら、既存ネットワーク下にある仮想サーバを段階的にプログラマブルフロー下に切り替えられるようにしたため、グローバルに利用者を拡大させる計画に合わせて、システム規模を拡張できるようになった

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