2012年新春インタビュー

【新春鼎談】この時代に働くということ2012年 それぞれの「スタート」(3/5 ページ)

» 2012年02月07日 13時00分 公開
[取材・文/伏見学,ITmedia]

フリーエージェントという働き方

──東京R不動産では「フリーエージェント」という働き方を取り入れ、外に向けても提唱しています。

吉里 フリーエージェントといってもさまざまな解釈がありますが、東京R不動産の場合、メンバーはオフィスも名刺も同じだけど、それぞれが個人事業主で、確定申告も別々に行っています。毎日オフィスに来る義務はなく、自宅で働いても問題ありません。

馬場 フリーエージェントとフリーランスは異なります。メンバーの中には、スピークと個人契約して東京R不動産のコンテンツを作っている人もいれば、スピークの正社員という形態の人もいる。別会社を自分で運営していて、スピークから出資してもらっている人もいます。

 どのような形態をとるかは話し合って決めるし、個人が主張できる環境が整っています。僕らとしてはどの組み合わせが一番良いムードが保てるかを考え、メンバー個人にとって良い契約形態を模索しています。

 東京R不動産グループにおいては、会社の空間やプロジェクトを覆う良いムードを作って盛り上げることがすごく重要だと思っています。それと同時に、ルールをどういう風に設定することで、そのムードが保たれるかということを意識的に考えています。

吉里 東京R不動産は今年でスタートして9年目に突入しました。2年ほど前から踊り場を迎えていると感じています。メンバーのモチベーションにもかかわることであるため、今年はそこを本気でてこ入れしなければならないと考えています。

馬場 一からサービスを作り上げた人と後から入ってきた人は、メンタリティの違いなど、気が付くと境界線が見えていました。僕ら創業メンバーが思っていることと、ほかのメンバーが思っていることが必ずしも一致するとは限らないわけです。

吉里 そこで具体的には、東京R不動産のサイトリニューアルを行うことにしました。バックエンドのシステムはたびたび改良してきましたが、サイトの表層的な部分は5〜6年ぶりの大幅更新となります。メンバー皆で議論しながらリニューアル作業することで、われわれが今何をやる必要があるかという課題が浮き彫りになってくるはずです。

西村 十数年前に企業が初めてWebサイトを作り始めたとき、それまで分断されていた企業の複数部門が、Webサイトという企業のアウターコミュニケーションの検討を1つの機会に、組織のインナーコミュニケーションも図り直しました。それと同じようなことが東京R不動産においても進むのでしょうか。

吉里 進むと思います。物事というのは、まずやり始めた人間がいて、そのことを良いなと思ってついてくる人間がいます。ただし、両者は物事なり事業なりに対する考え方の幅が違います。例えば私や馬場の場合、東京R不動産にどういう情報やコンテンツを載せていいかは感覚的に分かる一方で、サイトが出来上がってから入ってきたメンバーは「東京R不動産はこうあるべきだ」というそれぞれのイメージがあります。自分自身が作ったものではないから。そうした中で、今一緒にサイトリニューアルすることで、第2の創業のように同じ価値観を共有できればいいなと思っています。

馬場 ほかのメンバーも「俺たちが東京R不動産を作っているんだ」とモチベーションが上がっていくかもしれません。Webサイトの再構築することで、僕らとメンバーの関係性も再構築しようとしています。

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