1人から使えるビジネス分析ツール、IBMがCognosの新版をリリース

個人および少数グループで利用可能なPC版のCognosをラインアップに加えた。Cognos 10との連携ソフトも提供する。

» 2012年03月08日 15時53分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 日本IBMは3月8日、ビジネス分析製品群「Cognos」の新製品となる「IBM Cognos Insight v10.1」および「IBM Cognos TM1 v10.1」を発売した。Cognos Insightは10万円を切る価格を設定している。

 Cognos Insightは、2010年発売の大企業向け「Cognos 10」や中規模企業向け「Cognos Express」と同等のビジネス分析に必要な基本機能を搭載。Cognos 10やCognos Expressが経営企画部門や情報システム部門での利用を想定しているのに対し、Cognos Insightは営業やマーケティングといった部門の担当者、また、中小企業やSOHO向けに1ユーザーから利用できるようにした。

 Cognos Insightが想定するユーザー層は、例えば、営業成績の管理や予測などの分析をExcelシートやマクロ機能を使って行うケースが多い。だが、分析のノウハウやバージョン管理などの作業は担当者任せになることが少なくない。新製品は、高度な分析機能を業務の現場の担当者がPCで簡単に使えることに加え、担当者のノウハウや分析結果の情報を全社展開できる点が特徴という。

Cognos Insightのユーザー画面。CSV形式のファイルをドラッグ&ドロップ操作で読み込むことができ、「担当者別/地域別/月別の売り上げ予測」といった複合分析も容易にできるという。また操作開始から“60秒”でダッシュボード画面を作成できる軽快さもウリにしている

 Cognos TM1は、Cognos Insightで開発された分析の仕組みや分析結果の情報をCognos 10やCognos Expressへ出力する、もしくはCognos 10やCognos ExpressからCognos Insightに入力するなどの機能を果たす。

 製品価格は、3月31日までCognos Insightが7万3000円、Cognos TM1が1048万5000円。4月1日以降は「戦略上のため」との理由で、Cognos Insightが5万5500円、Cognos TM1が800万円に改定される。一部を除き、販売代理店から提供される予定。

 常務執行役員ソフトウェア事業担当のヴィヴェック・マハジャン氏は、「エンタープライズ向け機能をそのままに手が届きやすい価格を設定した。(大規模向けが主体の)ビジネス分析製品市場の“ゲーム”を変える存在だ」と表明した。

Cognos Insightの主要機能(左)、TM1との連携イメージ

関連キーワード

Cognos | Business Analytics | IBM


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ