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» 2012年03月22日 16時44分 UPDATE

グローバルビジネスでの困り事、日本IBMが自らの体験をベースに解決を支援

ビジネスのグローバル展開で直面する課題の解決に向けたファーストステップを後押し――7分野14領域の日本IBMの実務経験者が顧客企業の悩み事に対応する。

[國谷武史,ITmedia]
ibm0322.jpg 金巻龍一氏

 「日本企業のグローバル化が叫ばれて久しいが、今から何かを始めるというより、今ある課題をどう解決するかが重要」――日本IBMは3月22日、日本企業のグローバル化を支援するサービスを発表、常務執行役員 トランスフォーメーション・ストラテジー&ソリューション担当の金巻龍一氏はサービスのコンセプトをこう説明した。

 新サービスではグローバルビジネスを展開する(しようとしている)企業に対し、現在抱えている課題や問題点の洗い出し、その解決に向けたプロセスの策定までをワークショップを通じて支援する。特徴的なのは日本IBMでIBMのグローバルビジネスを日本市場で展開するための実務を長きに渡って担当した人材が「監修者」として、自身の経験を基に企業の悩み事解決に当たる点。営業や人事、財務からIT、アウトソーシングまでの7分野14領域をカバーする。

 金巻氏は、「グローバル化というと米国の“流儀”みたいなものが想定されがちだが、日本企業には“日本流”があるはず。日本IBM自身、そうした課題にいつも向き合ってきた。理想的なゴールを追求するよりも、今の課題やビジネス環境の変化へ企業が自律的に対応できることが肝心だ」と語る。

 監修者の一人として主にコラボレーションなどの領域を担当する理事の高橋和子氏は、「顧客の課題が具体的に何か、どうすれば解決していけるか、そのヒントを監修者の持つ20年近い実務経験やノウハウを参考にしながら顧客と一緒に考えていきたい」と述べている。

 例えば購買に関して、グローバルで統一した仕組みを実行しようとすれば、市場や地域ごとの特性に対応するための柔軟性を欠いてしまう。もしくは拠点任せにしていて各地域の実態を本社が把握できず、拠点を拡大する度に“うやむや”な状態のままに購買の仕組みが肥大化していくというケースもある。

 「IBMとしてはまずバラバラだった品目を整理し、システムの整備や統合を実現するまで20年近くを要した。今まさに同じ課題に直面している企業にこの経験を伝えられれば、その解決に20年もかからない」(金巻氏)

 IBMの社内IT環境の最適化でも、世界各地に分散していたITサービス拠点を現在のようなクラウドベースのグローバルデータセンターから提供する仕組みにしたことで、20〜40%程度のコスト削減を実現した。

 戦略コンサルティング・グループ リーダーの池田和明氏は、グローバルビジネスによって成長を維持するために「貿易」「事業投資」「人材」の3つの“テコ”を活用することが必要と解説する。「ドイツを例にみると、日本よりもGDP(国内総生産)は低いが、輸出入や対外投資残高は高く、収益性に優れている。EU経済圏の成立や周辺諸国からの移民といった要因をドイツ企業がうまく戦略につなげているからといえるが、日本企業でもそうしたアプローチがカギを握るだろう」

 新サービスではクラウドサービスなどIT領域を含めて企業顧客のビジネス全般の課題に対処するというスタンスで臨むという。同社が対応する7領域14分野は以下の通り。

領域 概要 監修者
グローバル・セールス(グローバル・マーケティング/グローバル営業) ビジネスの展開に不可欠な進出国でのマーケティング/営業の迅速な立ち上げと、活動情報の見える化・共有化、オペレーションの最適化を支援。IBM UnicaやIBM Coremetricsなどのマーケティング支援ソフトウェアを活用 白石肇氏/井深雄一郎氏
グローバル・ピープル(グローバル・タレント・マネジメント/グローバル人事機能) グローバルでのビジネス創出実現に必要なグローバル人財を計画的に採用・育成し、最適配置するプロセスと、人事情報・給与に加えスキルや職歴などの人財情報を見える化する仕組みの構築や、グローバルでの人事オペレーションの最適化を支援。IBMで実績のあるアセットや業務アウトソーシングを活用 堤敏弘氏
グローバル・アカウンティング(グローバル経営ダッシュボード/グローバル経理・財務) グローバルでの経営指標の標準化・統一化・最適化によるコスト削減や、各国での業務展開や企業買収を含めたグローバル全体での経営指標管理と予測を可能にし、ビジネス・インサイト(洞察)を提供するための、プロセスの変革や仕組みの構築を支援。IBMのアセットやIBM InfoSphereシリーズ、IBM Cognos、IBM SPSSなどの分析、情報連携ソフトウェアを活用 浅利信治氏
グローバル・チーミング(グローバル・コラボレーション/グローバル情報ポータル) グローバル化に伴うコミュニケーションとワークスタイルの変化に対応した、新たなコミュニケーションの仕組みを提供。多言語かつ幅広いデバイスからの利用が可能な、コミュニケーションツール導入やポータルサイト構築を支援。IBM SmarterCloud for Social Business(SCSB)やIBM Connectionsなどのコラボレーション・ソフトウェアを活用 高橋和子氏
グローバル・チェーン(グローバルSCM/グローバル購買) 全拠点の状況を可視化し収益の最大化やリスクへ迅速に対応できるサプライチェーンの構築、およびグローバル・レベルでの購買オペレーションの最適化を支援。IBM Global Integrated View(GIView)、G-PROC、EmptorisなどIBMのアセットやソフトウェアを活用 鈴木あや氏
グローバル・IT(グローバル・データ統合/グローバル・セキュリティ) グローバルな経営判断を迅速に行うために、各国に散在する情報を統合・見える化する仕組みや、世界各地の拠点を情報漏えいやウイルス攻撃などのセキュリティリスクから保護する仕組みの構築を支援。IBM InfoSphereシリーズ、IBM Neteezaなどの情報統合ソフトウェアや、IBMマネージド・セキュリティー・サービスなどを活用 朝比奈勉氏
グローバル・アウトソーシング(グローバルIT環境最適化/グローバル標準クラウド) グローバル・レベルで肥大し複雑化かつ重複しているシステムの標準化・統合化を推進し、IT環境と投資の最適化を支援。IBMのグローバル・デリバリー・センターや、グローバル標準クラウドを活用 朝比奈勉氏

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