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» 2012年03月27日 08時30分 UPDATE

“ビッグデータ”が経営を変える:金融業界が抱える5つの課題

ビッグデータへの対応を含め、金融業界では新たなデータマネジメント手法の確立が喫緊の課題となっているという。

[吉村哲樹,ITmedia]

金融業界が直面する「5つの課題」とは

 企業におけるデータ活用ソリューションは、いわゆる「ビッグデータ」の登場によって新たなフェーズに突入した。大量かつ多種多様なデータを収集・管理・分析し、ビジネスに役立つ新たな知見を引き出そうというビッグデータの考え方は、ネットビジネスの領域に端を発し、その後あらゆる業界に広がりつつある。

米Informaticaのピーター・クー氏 米Informaticaのピーター・クー氏

 ちなみに、金融業界もその例外ではない。それどころか、金融の世界では他業界にはない特有の事情により、新たなデータマネジメント手法の確立が危急の課題となっている。データマネジメントソリューションのリーディングベンダーとして知られる米Informaticaにおいて、金融業界向けソリューションの総責任者を務めるピーター・クー氏は、次のように述べる。

 「金融業界は今日、『コンプライアンス対応』『顧客の維持』『売り上げ増大』『業務効率の改善』『ビッグデータ対応』という5つの大きな課題に直面しているが、これらを解決するための手段としてデータマネジメントソリューションへの注目が高まりつつある」

 同氏が挙げる1つ目の課題、「コンプライアンス対応」が注目されるきっかけとなったのは、言うまでもなく2008年9月のリーマンショックに端を発した世界金融危機だ。これ以降、米国の「ドッド・フランク法」や欧州の「ソルベンシーII」、さらにはBIS(国際決済銀行)が打ち出した「バーゼルIII」と、銀行や保険会社の経営の透明性を担保する目的で、各種の規制が強化されつつある。そうした中、各金融機関は規制当局に対してこれまで以上に詳細で正確性を期した報告が義務付けられるようになり、その対応に苦慮するケースが増えてきているという。

 そこで威力を発揮するのが、Informaticaが提供するデータ統合ソリューションだとクー氏は言う。

 「データ統合ソリューションを活用すれば、異なるシステムからあらゆるフォーマットのデータを収集し、整合性が取れた形に集約できるため、それを基に正確なレポートを迅速に作成できる。さらに、これにデータアーカイブソリューションを組み合わせれば、当局の求めに応じて過去データから任意のデータを迅速に取り出して報告できるようになる」

 また、「顧客の維持」「売り上げ増大」という2つの課題に対しては、同社のMDM(マスタデータ管理)製品「Informatica MDM」を使ったソリューションが極めて有用だという。

 「MDMのソリューションにより、複数システムに散在する顧客情報を集めて、『顧客の単一ビュー』を生成できる。これを活用すれば、顧客に関する網羅的な情報をいつでもすぐ参照できるようになり、顧客によりマッチしたオファーやアップセルを提示できる。これにより顧客エンゲージメントとリテンションを強化することが、ひいては売り上げの増大にもつながる」(クー氏)

金融業界にも押し寄せるビッグデータの波

 4つ目の課題である「業務効率の改善」に関しては、業務のIT化の進展で多くの企業がかなりの部分を克服しつつあるが、こと金融業界について言えば「レガシーシステムのリプレース」という問題が大きな重石としてのしかかっている。金融業界の多くの企業では早くからメインフレームを導入し、大規模なオンラインシステムを構築してきたが、いざこれを最新のシステムに刷新して業務効率を改善しようと思っても、レガシーシステム上のデータの移行作業にさまざまな技術的困難がつきまとうため、結果としてなかなかシステム刷新が進まないという事情がある。

 これもInformaticaが提供する各種データマネジメントソリューションを活用することで解決可能だとクー氏は言う。

 「レガシーシステムのデータ移行にはデータ統合ソリューションが、そして新たなシステムを開発する際にはテストデータ管理ソリューションが極めて役立つ。また多くの企業では、万が一古いデータを参照しなければならなくなった場合に備え、レガシーシステムを廃棄できずにいるが、これもアーカイブソリューションを活用することで解決できる」

 そして最後の課題である「ビッグデータ」。金融業界では昨今、電子決済やモバイルバンキング、HFT(High-Frequency Trading)などの普及により、システムで生成されるデータ量が爆発的に増えている。また、TwitterやFacebookなどソーシャルメディア上のユーザーの声を収集・分析してビジネスに反映させる動きも、他業界と同様広がりつつある。まさに、ビッグデータのソリューションが求められつつあるのだ。

 これまで紹介してきたInformaticaの各種ソリューションは、こうしたビッグデータのトレンドにもいち早く対応している。TwitterやFacebook、LikedInなどのソーシャルメディアからソーシャルデータを取り込むためのインタフェースを実装するほか、HadoopやDWHアプライアンスとの連携モジュールも開発中だという。さらには、高速メッセージング技術を有する米29Westを2010年3月に買収し、金融業界向けのビッグデータ技術の強化を急ぐ。

 「金融業界においても他業界と同じく、今後はビッグデータソリューションに対する投資が増えてくると予想している。そのためわれわれも今後、ビッグデータ分野に対してはより一層注力していく予定だ」(クー氏)

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