日本IBM、Linuxサーバの「PowerLinux」を発表

Powerシリーズで培った信頼性や性能とオープンソースプラットフォームによる価格競争力が強みだという。

» 2012年04月25日 15時48分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 日本IBMは4月25日、Linuxサーバの新製品「PowerLinux 7R2」を発表した。最小構成での価格は135万5700円(税別)。5月24日から同社のパートナー企業を通じて出荷を開始する。

 新製品はPOWER7プロセッサ(3.3/3.55GHz)を2基(計16コア64スレッド)搭載。Red Hat Enterprise LinuxやSUSE Linuxを利用でき、仮想化基盤ではファームウェアとして稼働する「PowerVM」を採用する。ミッションクリティカル領域でも使われるPowerシリーズで培った信頼性や性能を持ちながら、オープンソースプラットフォームの採用による価格競争力の高さが特徴だという。

PowerLinux 7R2

 会見した理事 パワーシステム事業部長の高橋信氏は、「オープンソースソフトウェア(OSS)の適用領域がミッションクリティカルやハイパフォーマンスにも拡大している。x86サーバは構成が複雑で、サーバ台数を増えれば運用の煩雑さが増すことから、実績あるPowerシリーズのLinuxマシンを提供したい」と述べた。

Hadoop関連の処理での性能

 想定する用途は、OSSが広く利用されているWebサーバやデータベースといった中規模システムからビッグデータ解析といった新たなものまでと幅広いという。同社のベンチマークテストではHadoopでのMapReduce処理において、x86サーバのクラスタ構成に比べて新製品によるクラスタ構成では処理性能が38%高いとしている。

 また同社は、SRA OSSと共同でPowerシリーズとLinuxにおけるPostgreSQL利用の最適化に取り組み、最大64スレッドでの実行が可能なことを実証した。x86サーバでは32スレッドであったことから、新製品ではデータベース利用でも高い性能を得られるという。

同等のスペックを持つ競合製品との比較

 PowerVMのライブマイグレーション機能である「Live Partition Mobility」を利用すれば、仮想マシンを稼働させたまま、よりパフォーマンスがより高いサーバに仮想マシンを移動させて性能を拡張できるとしている。

 新製品の提供開始に併せてパートナー体制も拡充し、新たにミラクル・リナックスや東芝ソリューションなどの企業がパートナーとして参画した。高橋氏は「Powerマシンは価格が高いというイメージを企業顧客に持たれていたが、新製品でこれを打開したい」と話している。

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