中国でのクラウドインフラ構築の注意点とは? IDCの提言

IT調査会社のIDCは、中国でのクラウド基盤構築における企業の関心動向や推奨されるという5つのプロセスをアドバイスしている。

» 2012年08月20日 12時39分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは8月20日、中国におけるクラウドインフラストラクチャの構築ガイドラインを発表した。中国での迅速なクラウドインフラストラクチャの導入やその成功のための提言をまとめている。

 それによると、中国の企業はクラウド基盤の選定について「既存のインフラストラクチャとの互換性」「短期間かつ低リスクでの導入」を重視していることが分かった。プロジェクトリスクの低減とクラウド導入期間の短縮を図りたいというニーズによるものという。

 同社は、「実装開始前に、クラウド導入プロジェクトを評価し、経験のあるITコンサルタントやサービスプロバイダの支援を受けて、クラウドのデータセンターの運用や管理方法についての十分な知見を得ておく必要がある」とアドバイス。そのための推奨プロセスとして、以下の5段階のステップを経るべきとしている。

  1. 計画――クラウド導入計画は、経営計画の一部として取り扱う必要がある。経営幹部が注力しサポートすることで、それぞれのステップで達成すべきゴールが明確化される。クラウド導入計画は、経営戦略と整合が取れたものでなければならず、導入によって、ビジネスイノベーションとITサービスの変革をもたらすものでなければならない
  2. 準備――サービスの供給方法と業務アプリケーションからの要望は、エンドユーザー企業が求める機能に沿ったものである必要がある。インフラストラクチャの選定は、適切な技術に基づくものかを評価する必要がある。既存のインフラストラクチャの状況を把握し、自社の事業に求められる機能が何かを考慮しなくてはならない。システムの移行性についての検証を行い、技術が事業運用に適しているかのチェックが必要
  3. 実装――仮想化がクラウドコンピューティングのベースとなります。企業に必要な高度なセキュリティと信頼性、および拡張性、柔軟性をもった仮想化プラットフォームを構築する必要がある
  4. 深化――企業は仮想化インフラストラクチャ上に、リソース割り当ての自動化を実現すべき。クラウドインフラストラクチャは、仮想化だけでなく、自動化ツールによる仮想リソースの割り当てと管理までを含むものとなる
  5. 業務アプリケーションと管理――オープン性はクラウドプラットフォームの基本的な性質であり、標準APIの提供と、既存の業務アプリケーションとの互換性は必須。企業はオープンなエコシステムを提供することを約束できるパートナーを優先的に採用すべき。既存の業務アプリケーションの移行は段階的なプロセスである。クラウドインフラストラクチャは企業の基幹業務をサポートできる必要がある

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