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» 2012年09月25日 08時00分 UPDATE

モバイルワーク温故知新:高速3Gが牽引したモバイル大衆化時代の到来 (1/5)

モバイルワークは、かつて多くのユーザーにとって夢だった。そんな状況は3G通信の高速規格「HSPA」の登場で一変した。今回はようやくモバイル通信が実用期に入った時代にフォーカスし、当時の状況を振り返ってみよう。

[池田冬彦,ITmedia]

3G通信から3.5G通信へ

 2000年代の前半、ADSLとFTTH(Fiber To The Home)による有線インターネットのブロードバンド化が進む一方、モバイル通信の世界は足踏み状態だった。携帯電話のインフラはまだ3G通信であり、下り最大384kbps(理論値)と比較的通信速度は遅かった。通信料金も高価だったために、携帯電話回線でのモバイルは少数派だった。このため、完全定額料金(月額7000円)で比較的リーズナブルだったDDIポケット(現ウィルコム)の「AirH"(エアーエッジ、現Air-EDGE)」というPHSサービスが多くのモバイラーに使われていた。

 だが、PHSの最大速度は64kbpsしかなく、後に128kbps、256kbpsのプランも開始したが、電波状況によっては速度が非常に遅かった。例えば、10Mバイト程度のファイルを転送するのに128kbpsの通信モードを利用しても20分以上もかかってしまう。メールの添付ファイルを受け取るのも一苦労だった。

 こんな状況を一変させたのが「HSPA(High Speed Packet Access)」サービスの登場だ。HSPAは3G(W-CDMA)の規格を拡張し、高速データ通信を可能にする規格で、いわゆる「3.5G通信」と呼ばれるものだ。HSPAには、受信速度を高速化する「HSDPA(High-Speed Downlink Packet Access)」と送信速度を高速化する「HSUPA(High-Speed uplink Packet Access)」の2種類がある。

 日本で最初のHSPAサービスは、2006年8月31日にNTTドコモが開始した「FOMAハイスピード」だ。当初はHSDPAのみの提供で、通信速度は下り3.6Mbps、上りは従来通り384kbps(共に理論値)だった。当初の対応端末は携帯電話の「N902iX HIGH-SPEED」と、Motorola製(現Motorola Mobility)のデータ通信カード「M2501 HIGH-SPEED」が登場した。

 しかし、当初のサービスエリアは東京23区内のみと、HSDPA通信を利用できるエリアが限られていた。また、通信料金の高さも問題となった。当初、定額料金プラン「パケホーダイ」はデータ通信には適用されず、従量制による上限無しの料金プランしかなかった。2007年に2段階定額制の「定額データプランHIGH-SPEED」が登場したが、上限は月額9765円と高価だった。

 ちなみに、KDDIはW-CDMAではなく「CDMA2000」という方式であるため、HSPA方式には対応しない。CDMA2000については、「CDMA2000 1x EV-DO Rev.A」(下り3.1Mbps/上り1.8Mbps、いずれも理論値)という規格でデータ通信を高速化していた。

ikfy01.jpg 日本発のHSDPA端末となった「N902iX HIGH-SPEED」
ikfy02.jpg FOMAハイスピードに対応した「FOMA M2501 HIGH-SPEED」
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