不正サイトに強いWebブラウザは「IE」、第三者機関調べ

セキュリティ評価機関のNSS Labsは主要ブラウザのセキュリティ対策機能について調べた結果を発表した。

» 2012年09月28日 16時32分 公開
[ITmedia]

 セキュリティ評価機関のNSS Labsは米国時間の9月27日、主要なWebブラウザのセキュリティ対策機能について調査した最新結果を発表した。Microsoft Internet Explorer(IE)が最も高い結果を示したと報告している。

 調査はIE 9とApple Safari 5、Google Chrome 15〜19、Mozilla Firefox 7〜13の各ブラウザを対象に、マルウェアダウンロードのブロック率や不正サイト接続のブロック率などを調べた。不正サイトは存続期間が短いため、同社では独自に収集した不正サイトリストをもとに約300万のテストケースを使い、半年間をかけて調べた。

 まずセキュリティ対策機能を有効にした場合のマルウェアブロック率(平均値)は、IEが94.0%と最も高く、以下はChrome(27.6%)、Firefox(5.0%)、Safari(4.7%)だった。調査期間中にChromeはブロック率が13〜74%の幅で変動したが、IEとFirefox、Safariでは概ね一定だったとしている。

 不正サイト接続のブロック率を30日間の変化でみた場合、IEは91〜94%、Chromeでは20〜28%、FirefoxとSafariでは4〜5%で推移した。ペイロード別のブロック率は、IEが「クリック詐欺」型とそれ以外のタイプでともに90%台の結果を示した。その他のWebブラウザは「クリック詐欺」型のブロック率が0.7〜1.6%だったが、それ以外のタイプではブロック率が6.6〜25.9%に向上したという。

 同社は、これらの結果があくまで調査環境にもとづくものであり、Webブラウザによってブロック可能な脅威に違いが生じる場合があると解説。オンライン広告の拡大などを背景に、不正サイトの脅威が今後も高まるだろうと警鐘を鳴らしている。

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