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» 2012年10月04日 09時30分 公開

Oracle OpenWorld San Francisco 2012 Report:すべての顧客にミッションクリティカルなクラウド基盤を

4日目を迎えた「Oracle OpenWorld San Francisco 2012」では、システム担当責任者のジョン・ファウラー氏がクラウド基盤戦略を語った。

[伏見学,ITmedia]

エンジニアド・システムの威力

 10月3日(現地時間)、米Oracleの年次カンファレンス「Oracle OpenWorld San Francisco 2012」は4日目を迎えた。朝のキーノートセッションでは、同社システムズ担当エグゼクティブバイスプレジデントのジョン・ファウラー氏が、クラウドサービスを推し進めるために重要な役割を担うシステム基盤のあり方を語った。UNIX系オペレーションシステム(OS)である「Solaris」の最新バージョンも発表した。

Oracle システムズ担当エグゼクティブバイスプレジデントのジョン・ファウラー氏 Oracle システムズ担当エグゼクティブバイスプレジデントのジョン・ファウラー氏

 「Exadataをはじめとするエンジニアド・システムは、今やクラウドになくてはならない基盤となっている」――。キーノートの冒頭でファウラー氏はこう強調する。ストレージやネットワーク、サーバなどのインフラストラクチャとソフトウェアを開発段階から密に融合させたエンジニアド・システムは、企業におけるシステムの導入や管理に大きな変革をもたらし、とりわけTCO削減の観点から、デプロイメント、パフォーマンス、可用性の面で成果を上げているという。

 具体的なユーザー事例として、ソフトバンクモバイルは大規模データウェアハウス(DWH)の刷新にあたり、データベース(DB)マシン「Oracle Exadata」を導入。DBのランニングコストを50%削減、オペレーティングコストを半減以上にした。また、トルコのコミュニケーションサービス企業であるTurkcellは、Exadataでデータ量を従来の250テラバイトから25テラバイトに圧縮し、10倍の処理速度を実現した。

 「ミッションクリティカルなシステムを導入する際、従来はストレージや仮想化技術などを個別に選び、それに伴いベンダーもバラバラだった。多くの意思決定が必要で、本番環境で稼働するまでに何カ月もかかっていた。エンジニアド・システムは導入を迅速化し、節約効果を上げるだろう」とファウラー氏は力を込める。

 実際、Oracleが提供するクラウドサービス「Oracle Cloud」は、Exadataやアプリケーションサーバ専用機「Oracle Exalogic」などのエンジニアド・システムで構成されるデータセンターを基盤としている。自社で独自にクラウド環境を構築する際、どうしても手間ひまがかかってしまうが、Oracle Cloudを利用することでこのハイパフォーマンスな環境を顧客は容易に手に入れることが可能だという。ファウラー氏は「クラウド環境は複雑だ。Oracleは顧客のために最先端のDBやミドルウェア、アプリケーションを投入して、SaaS、PaaS、さらにはIaaSを提供している」と説明する。

 他社のクラウド基盤システムとの差別化はどこにあるのか。「Oracleはシステムカンパニーであり、DB、プログラミング言語のJava、ミドルウェアなどに業界標準技術を採用している。各コンポーネントを別々に動かすのではなく、アーキテクチャの一貫性を念頭に置いて統合することで、システム全体でより高いレベルを導き出している」とファウラー氏は述べる。

クラウドのためのSolaris最新版

Solaris 11は既に数千社が活用。日本企業ではグリーの名も Solaris 11は既に数千社が活用。日本企業ではグリーの名も

 同キーノートの中で、システムOS「Oracle Solaris 11.1」を発表。300以上の機能を強化した中で、最大の特徴がクラウドシステムに最適なチューニングを施した点にあるだろう。クラウド規模のデータ環境の統合名前空間(名前の集合を分割することで識別の衝突を低減しつつ参照を容易にする概念)に関するオープン規格Federated File System(FedFS)」を業界で初めてサポートするほか、クラウド環境の帯域幅を管理するための「Edge Virtual Bridging」(サーバ仮想化した際のネットワーク規格)の機能強化、Ethernetネットワークとストレージネットワークの結合によるネットワークインフラのコスト節約などを実現する。

 そのほか、ロック管理をOracle Solarisカーネルにオフロードすることにより、DBのクラスタリング機能「Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)」のロック遅延を17%向上、リブートせずにDBのSGA(Systems Global Area:専用のメモリ領域)の大きさを変更、システム情報取得機能「Oracle Solaris DTrace」によるDBのI/Oボトルネックを容易に監視、把握するなどの改善がなされた。

 新製品について、ファウラー氏は「これまでもSolarisはミッションクリティカルかつハイスケールな環境で使われており、PaaSは全面的にSolaris 11が支えている。今回、クラウド基盤とするべくセキュリティ機能などを強化し、基幹業務レベルで活用できる信頼性を持ったものにした」と胸を張る。「SPARC T4」サーバやExadata、Exalogic、「Oracle SPARC SuperCluster T4-4」と組み合わせて、クラウドインフラに最適なソリューションを提供していくとした。

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