最新トレンドをサポートするIBMの次世代インフラIBM New Era of Computing Forum Report

米IBMでシステム製品事業 グローバル・マーケット担当バイスプレジデントを務めるアレックス・ゴー氏が同社のインフラ基盤に関するビジョンなどを語った。

» 2012年11月05日 11時25分 公開
[伏見学,ITmedia]

 日本IBMは10月31日、企業のIT担当者などを対象としたプライベートセミナーイベント「IBM New Era of Computing Forum」を開催した。基調講演には、米IBM システム製品事業 システム製品営業 グローバル・マーケット担当 バイスプレジデントのアレックス・ゴー氏が登壇。ビッグデータやクラウドなどの最新トレンドを解説した。

米IBM システム製品事業 システム製品営業 グローバル・マーケット担当 バイスプレジデントのアレックス・ゴー氏 米IBM システム製品事業 システム製品営業 グローバル・マーケット担当 バイスプレジデントのアレックス・ゴー氏

 ゴー氏によると、現在、ITに関する5つのメガトレンドが訪れているという。1つ目が「クラウドの台頭」である。IBMのグローバル全体の顧客のうち、今や3分の2がクラウド環境を導入しているため、世界各国のIBM研究所においていかにクラウドを最適化できるのか、既存のインフラ環境を統合できるのかを日夜議論しているという。

 2つ目が「アナリティクス」である。現在、全世界に散在するデータの9割が過去2年間で生成されたものであり、今後もデータの増加量はますます加速度を高めていくという。そうした中、リアルタイムで各種データを分析することが競合他社との大きな差別化要因になる。

 3つ目は「セキュリティ」だ。従来からセキュリティ対策はあらゆる企業で最重要であるが、先月に米国で20以上の金融機関がサイバー攻撃の標的にされたことなどを受け、よりいっそうセキュリティの意識が高まっている。

 4つ目は「モビリティやソーシャルネットワークの重要性」である。現在、24億ものソーシャルメディアのアカウントが存在し、2015年には39億に上る。これは実に日本の人口の40倍に相当する。

 最後の5つ目が、これらのトレンドに対し、いかにITインフラを統合、整備していくのかという点である。「本来ならば増大するデータへの対処を考えなくてはならないが、多くの企業ではIT投資額のほとんどがシステムのメンテナンスに使われており、革新的な技術への投資は予算の約20%に過ぎない」とゴー氏は指摘する。

 そうした状況に対し、IBMは年間数百億ドルの研究開発費(R&D)をシステム事業分野に投資する。その具体的な表れが、次世代ITインフラに向けたビジョン「Smarter Computing」である。クラウド、データ、セキュリティの3つの戦略軸とし、UNIXサーバの「Power Systems」最新版や、ハードウェアとソフトウェアを統合したシステム基盤「PureSystems」などの製品を相次いでリリースした。

「クラウド、データ、セキュリティへの対応は、規模を問わずあらゆる企業でレディにある。IBMではSmarter Computingを提供し、顧客のビジネス支援していく」(ゴー氏)

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