日本IBMは、クラウドやデータ、セキュリティを特徴として打ち出すITインフラ向けの新製品群を発表した。
日本IBMは10月4日、Power SystemやストレージなどITインフラ向け新製品などを発表した。同社の「スマーター・コンピューティング」ビジョンに基づくもので、ワークロードの最適化やクラウドおよびビッグデータの活用、堅牢なセキュリティを実現するとしている。
今回発表したのは、サーバ製品の「IBM Power 770」「同780」「同795」、ストレージ製品の「IBM System Storage DS8870」「IBM Storewize V7000 Unified」「IBM TS7700 Virtualization Engine 3.0」「IBM System Storage TS3500」、ソフトウェア製品の「IBM DB2 Analytics Accelerator V3」となる。
記者会見した常務執行役員 システム製品事業担当の三瓶雅夫氏は、「スマーター・コンピューティングに、『Tomorrow Ready』というメッセージを加えたい。新製品群は今日のITインフラが抱える非効率性などの課題に加え、ITリソースのオンデマンド化やビッグデータに代表される情報活用、サイバー攻撃などのセキュリティリスクなど将来にわたる課題に対応することを目指した」とコンセプトを説明した。
まず、IBM Powerシリーズの新製品では32ナノプロセスルールを採用した新プロセッサ「Power7+」を搭載する。最大4.4GHzの動作クロック、80Mバイト容量のeDRAMなどによってハードウェア性能が大幅に向上した。これにより、データ暗号化の高速処理や仮想化ハイパーバイザーPowerVMの強化(1コア当たり最大20論理区画)が可能となり、コンプライアンス違反を監視する「リアルタイム・コンプライアンス・モニタリング」機能を実行できるようになった。
またハイエンド向けのPower 780および795は、最大10台のサーバで1つのシステムプールを構成できるようになり、急なビッグデータ分析といったリソースニーズ対して柔軟に対応できるとしている。
ストレージ製品群のうち新製品のDS8870や新バージョンとなるV7000 Unified、TS7700ではアクティブデータを最大5分の1にリアルタイムで圧縮できるという機能や、HDDやSSD、仮想テープなどの暗号化を標準機能として搭載する。テープストレージ新製品のTS3500は、前モデルと同等の設置面積で最大1.8エクサバイトのデータを格納でき、データ転送速度を毎秒400Mバイトに向上させている。
ソフトウェアのDB2 Analytics Accelerator V3は、従来では手動で行う必要があったDB2とNetezzaとの間のデータ同期処理を自動化するもので、クエリ実行のスピードを最大2000倍に高められるとしている。
各製品は10月19日以降に順次出荷を開始する。
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